研究課題/領域番号 |
13480223
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
津田 基之 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60045458)
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研究分担者 |
中川 将司 姫路工業大学, 理学研究科, 助手 (00212085)
日下部 岳広 姫路工業大学, 理学研究科, 助教授 (40280862)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2002年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2001年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 色覚色素 / タコ / 体色変化 / ロドプシン / 背地反応 / 皮膚 / 色素細胞 / 皮膚光覚 |
研究概要 |
生物の生存のための戦略の一つとして背地反応がある。外環境に合わせて体色変化をするこの現象は、カメレオン、タコなどで良く知られている。体色変化に関与する色素胞の神経、ホルモンによる支配に関しては多くの研究があるが、その動物が如何にして外環境の色を知覚するかに関しては未知である。多くの論争があったが、現在ではタコは行動、電気生理学、視物質研究から色盲とされている。タコの視神経を切断しても背地反応が観察されていることから、眼以外に色覚の仕組みがあると考えられる。本研究ではタコの皮膚に眼の視物質と類似の光受容体が存在することを検索した、その結果下記のような結果を得た。1)ノザンブロッティング解析により皮膚にロドプシン遺伝子とハイブリダイズする転写産物を見いだした。2)ウエスタンブロット解析により皮膚にロドプシン抗体と交差反応するタンパク質を見いだした。3)レチナールイメージング法により、タコ皮膚の色素胞にレチナールタンパク質の局在を見いだした。4)タコの皮膚の色素タンパク質がタコロドプシンと似た可逆性の光反応を示した。 本研究ではタコの皮膚より吸収極大の異なる3つのタイプに分けられることが分かった。3タイプの皮膚の可溶化液に対して光照射による吸収スペクトルの変化を測定したところ、タコの眼の視物質と同様に青色光の照射により440nmの吸収が減少し、それに橙色光を照射すると470nmの吸収が回復する変化を得た。この色素を単離するためタコの皮膚をコール酸ナトリウムで可溶化ヒドロキシアパタイトにより分離した、可逆的に光反応する分画を得ることが出来た。これらのタコの色覚獲得の分子機構を解明するきっかけになることが期待される。
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