研究課題/領域番号 |
13480240
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 (2002) 国立遺伝学研究所 (2001) |
研究代表者 |
今本 尚子 独立行政法人理化学研究所, 細胞核機能研究室, 主任研究員 (20202145)
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研究分担者 |
小瀬 真吾 独立行政法人理化学研究所, 細胞核機能研究室, 研究員 (90333278)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2002年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2001年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | 核一細胞質間輸送 / importinβ / CAS / 低分子量GTPase Ran / importinα / 核膜孔複合体(nuclcar pore complex) / 70kDa熱ショックタンパク質(hsc70) / β-catenin / 核内輸送担体importinβ / 核外輸送担体CAS / 核膜孔複合体 / p10 / NTF2 / hsc70 / 輸送担体 / リサイクリング |
研究概要 |
1.これまでに、Importinβのリサイクリングには低分子量GTPaseRanのみが必要と考えられていた。しかし、生細胞を用いた解析よりimportinβの核外移行(リサイクリング)反応がATPを要求することが示唆されたため、semi-intact細胞を利用したin vitro輸送アッセイ系を用いて、importinβのリサイクリングに関与するATP感受性因子を活性を指標に精製した。その結果、構成的に発現する熱ショック蛋白質hsc70(70kDa heat shock cognate protein)を同定した。ATPase活性を欠く点変異体がimportinβのリサイクリングを促進しないことから、importinβのリサイクリングにATP感受性因子としてhsc70が関与することを新たに同定することができた。 2.βカテニンは輸送担体のように核膜孔複合体と直接相互作用しながら、核と細胞質の間をシャトルする典型的な分子の1つである。β-cateninの核内外移行を詳細に解析したところ、β-cateninの核内移行と核外移行を担う領域が一致した。しかし、importinβやCASなどの核内外輸送担体による競合阻害実験では、β-cateninの核膜孔通過反応に対する阻害効果が核内移行と核外移行で異なることが明らかになった。さらに、importinβやCASがリサイクリングする条件下とリサイクリングしない条件下においても、阻害効果に違いが見られた。これらの結果から、細胞質から核内へ向かう核膜孔通過反応と、核から細胞質に向かう核膜孔通過反応の分子間相互作用に違いがあることがはじめて示された。 3.importinα/β輸送経路がストレスに応答して機能低下することを見いだした。生化学的手法と生細胞内で輸送因子の挙動を調べたところ、importinαの核内リテンションとリサクリング阻止がimportinα/β輸送経路活性低下の1つの要因であることが判明した。これは、核一細胞質間輸送因子の活性制御が、細胞がストレス環境に適応するための制御系の1つとして作用することを示唆している。
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