研究課題/領域番号 |
13480243
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
仲村 春和 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90079690)
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研究分担者 |
佐藤 達也 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 日本学術振興会特別研究員
渡邉 裕二 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (80301042)
舟橋 淳一 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (00270827)
木村 淳 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤研究員
杉山 清佳 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 日本学術振興会特別研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2002年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2001年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 中脳胞 / 後脳胞 / オーガナイザー / Fgf8 / Ras-ERK経路 / 小脳分化 / Fgf8a / Fgf8b / Otx2 / Glx2 / Irx2 / 視蓋 / 小脳 |
研究概要 |
中脳胞背側は視蓋へと分化し、後脳胞背側は小脳へと分化する。視蓋と小脳ではその構造、分化様式は全く異なるが,両者は峡部で境を接しており,峡部からのオーガナイジングシグナルによって分化する。オーガナイジングシグナルとしてFgf8が有力視されている。同じオーガナイジングシグナルを受け取って、どうして中脳胞では視蓋が、後脳胞では小脳が分化するかということは非常に興味深い。 Fgf8にはスプライシングの違いにより8つのイソフォームが存在するが、峡部ではFgf8aとFgf8bが発現している。そこで、Fgf8aとFgf8bを強制発現させたところ、Fgf8aでは間脳胞に視蓋が誘導されるが、Fgf8bの場合は中脳胞の背側がすべて小脳へと分化した。定量的な実験の結果、このFgf8aとFgf8bの違いはシグナルの強弱に帰し、強いFgf8シグナルを受け取るところが小脳として分化することを明らかにした。 強いFgf8シグナルによりどのような細胞内シグナル伝達系が活性化されるかの研究を行った。Ras-ERKシグナル経路に着目し、活性化ERKに対する抗体による活性化ERKの分布をみると、Fgf8mRNAの発現している領域でERKは燐酸化されていた。ドミナントネガティブ型のRasを強制発現すると、後脳胞はその発生運命を変え、小脳ではなく、視蓋として分化した。Fgf8bとドミナントネガティブ型Rasの共発現ではFgf8bの効果はうち消されたが、Fgf8aとの共発現では相乗的な効果が得られた。このことはRas-ERK経路はFgf8bの下流で活性化され、Fgf8aの下流ではないことを示唆している。 これらのことより、Fgf8の強いシグナルにより、Ras-ERKシグナル経路が活性化されると小脳分化に働くこと、視蓋の分化には別のシグナルトランスダクションシステムが活性化されることが示唆された。
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