研究課題/領域番号 |
13480262
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
和田 圭司 国立精神・神経センター, 疾病研究第四部, 部長 (70250222)
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研究分担者 |
野田 百美 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (80127985)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | ユビキチン / 神経変性 / マウス / 蛋白分解 / 神経細胞 / 神経伝達 / 神経再生 / シナプス / 幹細胞 / 神経軸索 / パーキンソン病 / 神経細胞死 |
研究概要 |
研究代表者は神経軸索末端の構造的、機能的破綻を特徴とする軸索ジストロフィーマウス(略してgadマウス)の原因が脱ユビキチン化酵素の一つで神経細胞特異的な発現を示すubiquitin C-terminal hydrolase I (UCH-L1)遺伝子の欠失であることを以前に明らかにした(Nature Genetics,1999)。本研究ではこの成果をもとに、脱ユビキチン化酵素、とりわけUCH-L1と相互作用する蛋白質の同定・機能解明を行い、シナプスの構造・機能維持の分子基盤における脱ユビキチン化酵素の重要性を解明することを目的とした。その結果、UCH-L1は水解酵素として作用するだけでなくモノユビキチンと結合し、ユビキチン代謝を安定化させる因子であることを明らかにした。実際gadマウスではモノユビキチン量が低下していた。UCH-L1は多面的な機能を有する蛋白質であることが示唆される。また、gadマウスのプロテオーム解析から、対照マウスに比して発現が変動している酸化修飾蛋白質4種を同定した。さらにUCH-L1自身が酸化修飾をうけ、その修飾の程度に応じてhydrolase活性が減じることを見出した。他方、gadマウスにおけるシナプス可塑性の変化など神経伝達においてもUCH-L1が重要な役割を果たしていることを見出した。UCH-L1は脳内においては神経細胞特異的に発現しており、本研究の成果から、蛋白質の品質管理機構として近年重要性が高まっているユビキチンシステムがシナプスの構造や機能の維持に重要な役割を担っていることが明らかになった。
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