研究課題/領域番号 |
13480264
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
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研究分担者 |
阿部 学 新潟大学, 脳研究所, 助手 (10334674)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2003年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2002年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2001年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | ES細胞 / C57BL / 6 / コンディショナルターゲッティング / シナプス可塑性 / NMDA受容体 / βカテニン / 海馬 / 脳高次機能 / NMDA受容体チャネル / Cre-loxP組換え系 |
研究概要 |
遺伝子ノックアウト法は神経系の機能解析に非常に有用な方法であるが、従来のノックアウト法には、いくつかの問題があった。すなわち、1)分子欠損による発生停止・致死、2)分子欠損に由来する形態形成異常(神経ネットワーク等の形成異常)、3)他分子による機能代償などにより、成体でのその分子が持つ正しい機能が解析できなかった。さらに、一般的なノックアウトマウスの作成には129系統マウス由来ES細胞が用いられてきたが、このマウスは脳に奇形があり、脳機能解析には全く向かない。本研究の目的は、これらの問題を解決する方法を開発し、実際にシナプス可塑性に関与する分子の機能を解析することである。我々はC57BL/6系マウス由来のES細胞株を樹立し、この細胞を用いて高効率に生殖系列遺伝するキメラ作成法を実用化することに成功した。この成果は特許申請をおこなった。また、Cre/loxP組換え系を用いてNMDA受容体GluRε2サブユニットおよび細胞接着分子βカテニンのコンディショナルターゲッティングマウスの作成をおこなった。NMDA型グルタミン酸受容体GluRε2サブユニットを海馬CA3領域で欠損したマウスの海馬CA3錐体細胞でのNMDA受容体を介する電流応答を解析した結果、歯状回からの苔状線維、対側のCA3錐体細胞、同側の錐体細胞からそれぞれのシナプスでNMDA受容体を介する電流応答が消失していた。これは、この領域でのNMDA型受容体を介するシナプス伝達にはGluRε2サブユニットが必須であり、GluRε1サブユニットでは代償できない事を示唆する。一方、細胞接着分子βカテニンを海馬CA3領域で欠損したマウスは、正常に成長し交配も可能であったが、文脈依存学習の亢進など行動学的な異常が認められた。今後これら表現型とシナプス伝達効率との関係検証を進める必要がある。
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