研究課題/領域番号 |
13480272
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
糸原 重美 独立行政法人理化学研究所, 行動遺伝学技術開発チーム, チームリーダー (60252524)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2003年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | netrin-G1 / netrin-G2 / 神経回路 / シナプス / 樹状突起 / ネトリン / ネトリンG / GPIアンカー / ニューロン / 膜タンパク質 / 軸索 |
研究概要 |
軸索誘導因子であるUNC-6/netrin分子群にドメイン構造が類似するNetrin-G1およびNetrin-G2を同定した。これらの発現領域は相互排他的であり、互いに機能的重複を示さないと考えられた。脳における両蛋白質の局在を詳細に解析し、成体では軸索終末の細胞質膜上に分布すること、シナプス近傍にも分布することを明らかとし、機能的神経回路の形成維持への関与を示唆する成績を得た。機能を明らかにする手段の一つとして、精製したNetrin-G1およびNetrin-G2を固層化し、その上で神経細胞の培養をしたところ、優位な神経突起の伸長を観察した。一方、抗Netrin-G1抗体を固層化し、その上で神経細胞を培養する事により、異なった細胞形態が誘導された。これらの結果は、これらの分子が両方向性のシグナル伝達機構を担うことを示唆している。脳におけるこれらの遺伝子の機能を明らかとするため、各々の遺伝子をノックアウトしたマウスを作製し、それらを解剖学的、行動学的および電気生理学的に解析した。Netrin-G1欠損マウスおよびNetrin-G2欠損マウスは共に成体まで発育し、生殖能力は正常であった。組織学的にも巨視的な異常は示さなかった。しかしながら、電気生理学的解析の結果は、NMDA受容体/AMPA受容体の比率が野生型マウスのものと異なることを明らかとした。このような異常の脳機能における意義を評価するために、一連の行動学的解析を行った。それらの結果を総合的に見ると、Netrin-G1欠損マウスは感覚情報の入力処理に異常を持つこと、Netrin-G2欠損マウスは情報のより高次の統合処理過程に異常を示すと解された。これらの結果は、Netrin-G1およびNetrin-G2の発現分布の特性と良く一致しており、それらが独立した神経回路の形成と維持に重要な役割を担うことを示唆している
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