配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2001年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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研究概要 |
脳内情報処理機構の解明や情緒活動の計測への応用を目指し,頭皮上で無侵襲計測された多チャンネル脳波電位から,脳内の時空間的電気活動を高分解能で推定し,脳機能解析の精度を改善することを本研究の目的とした.空間分解能を改善するために,仮想的に脳内に等価ダイポール層を設置し,頭皮電位からこのダイポール層の信号強度分布を推定した.この方法によれば,信号源の数や方向に関わらず,脳内電気活動を推定できる.信号源を推定する際,雑音の時空間的振る舞いを考慮した時空間フィルタを構築することによって,逆問題の推定精度を改善した.具体的には,時空間逆フィルタとして,復元の精度と雑音抑制を調節できるパラメトリック射影フィルタを採用した.このフィルタの正則化パラメータを信号雑音分布の時間的推移を考慮して時変性とし,また,背景雑音とまばたきなどの瞬目運動によるアーチファクトの2種類の雑音共分散行列を切り替えて使用することにより,時変性逆フィルタを構築した. 3層不均質実質同心球状頭部モデルを対象とし,種々の信号源,種々の雑音分布を考慮した計算機シミュレーションにより,脳内高精度時空間分析の有効性を確認した.また,多チャンネル脳波計を用いて構築した誘発脳波マッピングシステムによって,実際に視覚刺激誘発電位ならびに事象関連電位を計測し,高精度マッピングの試験研究を実施した.また,雑音情報に加えて信号の時空間情報も組み込んだ逆フィルタの構成についても検討した. シミュレーション実験より,信号源推定の分解能を向上できることを示した.また実データに対しても,有効に動作することを確認した.さらに,背景雑音や瞬目アーチファクトを低減できることを確認した.
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