研究課題/領域番号 |
13554009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
足立 智 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10221722)
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研究分担者 |
田中 克彦 村田製作所, 技術開発本部, 主席研究員
戸田 泰則 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00313106)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2002年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2001年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
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キーワード | イメージング / フォノンポラリトン / 散乱 / 量子構造 / 結晶評価 / 四光波混合 / 励起子分子 / 励起子 / 超音波 / フォノン / 可視化 / 結晶欠陥 |
研究概要 |
本研究は光学フォノンと音響フォノン(超音波)の可視化技術を利用し、その伝播過程を映像化することにより、ドメイン反転前の基板結晶内の欠陥等による散乱の検出やドメイン反転終了後の結晶評価を目的としている。誘電体タンタル酸リチウムLiTaO3を用いて、c面より光を入射し光学フォノン発生・伝播過程のイメージングを行った。数ミリから1センチ程度の直径のレーザーパルスを時間遅れをつけて照射し、フォノン波束による回折光で波束の像を形成できる。フォノンは屈折率のみを変化させている位相物体であるため、光強度にしか反応しない目やCCDカメラ等では見えないが、位相情報を振幅情報に変換する工夫をしてやると発生から伝搬、干渉などの過程をテレビを見るように画像化することができる。さらに考案した特殊な光学配置において、第1パルス対で選択励起したフォノン(ポラリトン)を第2パルスで増幅したり、強制的に消滅させたりする過程をリアルタイムで画像化ことに成功した。すなわち時間遅れを伴った光パルスを用いて、フォノンどうしの干渉および光パルス間の時間差による位相の違いを利用してフォノン制御が可能であることを示したことになる。得られた画像データをフーリエ変換することにより、励起されたフォノンがどの程度の波数をもち、伝播過程でどのように分散・減衰していくかがわかる。実験ではフォノン波束が伝播中に分散(伝播速度の波数依存性)するため、完全に波束を消去することは出来ていないが、第2パルス対に用いるレーザーパルスの形を工夫することにより、励起したフォノンを完全にうち消すような干渉を起こすことが可能であると考えられる。この成果はフォノン分光学に大きく貢献するだけでなく、フォノンのコヒーレント制御に新しい画期的な方向性を与えるものと考えられる。また同じ四光波混合法を用いて、半導体GaNにおいてフォノン散乱、励起子間相互作用に着目して半導体結晶の品質を評価するとともに、その過程で新たな励起子分子を発見した。
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