配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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研究概要 |
1.まず,海面上での乱流変動法による物質・エネルギーフラックス自動計測システムの開発のために,これまで基礎研究として行ってきた,動揺する船舶の上で見かけの風速成分から動揺成分を補正して真風速成分に変換して,渦相関法を適用する手法の再検討を行った。 2.その結果をふまえて,海洋科学技術センターの海洋地球観測船「みらい」の観測航海に乗船て,動揺補正手法の改良と得られたデータから自動的に動揺補正を行って,乱流フラックスをリアルタイムに計算するためにプログラムを作成した。これは従来,航海終了後に得られた乱流データからバッチ処理で行っていた計算を現場で自動的に行えるようにしたもので,国内ではもちろん初めてのシステムとして画期的なものである。 3.物質フラックスの1つとして,二酸化炭素フラックスを渦相関法で直接測定することを試み,平成14年度よりリアルタイム処理の中で定常的に運用することができるようになった。これはこれまでの大気と海との二酸化炭素濃度をそれぞれ測定して,その濃度勾配にある経験定数を乗じてフラックスを推定する手法に比べると格段に精度の高い方法である。これは世界的にも初の試みで,各方面から非常に注目されつつある。 4.これまでに蓄積されたデータについて,まずデータの品質を選別した。観測条件が適当でない場合,また計測器のノイズ等が大きい場合を削除して,良い品質のものを選別する,いわゆる「品質管理」に重点をおいた解析を行った。この条件設定には様々な試行錯誤を繰り返しながら,また,陸上観測で行われている手法も参考にしながら進めてゆき,ほぼ実用的なものにまとめることができた。 5.次のステップへの展開として,この乱流変動法の結果をより確実なものにするために,クローズドパス渦相関法,プロファイル法,スペクトル法などとの併用についても研究を行った。
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