研究課題/領域番号 |
13554019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
富永 圭介 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (30202203)
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研究分担者 |
西澤 誠治 科学技術振興機構研究成果最適移転事業, 時系列変換パルス分光計測システム, 研究開発リーダ(研究職)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2001年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 2次元振動分光 / 赤外フォトンエコー / 赤外過渡グレーティング / 高出力赤外短パルス / フェムト秒固体レーザー / 非調和結合 / 振動位相緩和 / 振動分布緩和 / 赤外非線形分光 |
研究概要 |
1μJ/pulse以上の高出力赤外短パルスとしては世界最短の55fsというパルスの発生に成功し、この赤外パルスを用いて三次の光学非線形現象に基づいたいくつかの分光法を開発し、凝縮相中における分子の振動ダイナミクスの解明に応用した。具体的には、3-パルスフォトンエコー、波長分解3-パルスフォトンエコー、波長分解過渡グレーティング等である。これらの手法は信号を複数の座標、遅延時間の時間軸や波長で観測する2次元分光である。特に、波長分解3-パルスフォトンエコーは2次元NMRの原理を振動状態に応用した手法である。これらの手法をいくつかの凝縮相中における振動状態に応用し、遷移エネルギーの揺らぎの相関関数、振動励起状態の寿命、回転緩和時間、非調和結合等を求めることができた。具体的には、メタノール中のOCN^-とSCN^-の非対称伸縮振動、Fe(CN)_6^<4->の錯体のCN非対称伸縮振動(T_<1u>モード)、Ruポルフィリンに配位したCOの伸縮振動、-N=C=N-結合を持つ有機化合物の非対称伸縮振動、逆ミセル内ウォータープールの水分子OH伸縮振動等である。本手法を一般化、実用化するうえで大きな問題点は、赤外パルスの安定性である。当初は、十分なパルスエネルギーが必要であると考えていたが、むしろ出力より安定性が重要であるという認識に至った。現有のシステムでは、superfluorescenceを用いた光パラメトリック発振(OPG)を行っており、この手法では光パルスの不安定性を導入する可能性が高い。そこで、白色光発生を基本としたOPG、さらに差周波発生装置の製作を行った。その結果、近赤外領域のアイドラー光では1.7-2.4mm、シグナル光では1.1-1.5mm、中赤外領域では、3.0-5.0mmのパルスを得ることができ、中赤外領域のshot-shotの安定性は0.3%程度に押さえることができた。
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