研究課題/領域番号 |
13554021
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
有機化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丸岡 啓二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20135304)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2001年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
|
キーワード | キラル相間移動触媒 / 触媒的不斉合成 / 有用アミノ酸 / シンコナアルカロイド / ビナフトール / グリシン / 不斉アルキル化 |
研究概要 |
地球環境に優しいクリーンな有機合成化学という観点から金属を使わない反応触媒、すなわち第四級アンモニウム塩由来のキラル相間移動触媒をデザインして、有用物質の触媒的不斉合成、特に有用アミノ酸の実用的な大規模入手プロセスの確立を目指した。これまでキラル相間移動触媒として有効なもののほとんどすべてが天然由来のシンコナアルカロイド誘導体に限られており、それが様々な不斉反応の開発を指向した触媒の設計、及び実際の修飾において大きな壁となっていた。本研究では光学活性な有機分子を独自の発想でデザインすることによる言わば人工のキラル相間移動触媒の創製を基盤とするため、無限の適用範囲を有する。具体的には、C2対称軸を有する、市販の光学活性ビナフトールを基軸として第四級スピロアンモニウム塩をデザインしてキラル相間移動触媒を創り上げ、グリシン誘導体の触媒的不斉アルキル化反応による光学活性アミノ酸の不斉合成プロセスを確立できた。当初は入手容易な光学活性源としてのビナフトールから容易に得られるビナフチルアミンを基本骨格としてジアルキル化によるアンモニウム塩をキラル相間移動触媒として用い研究を推し進めてきたが、なかなか満足な結果が得られなかった。そのため、更に光学活性ビナフチル基を導入したスピロアンモニウム塩をデザインすることによって初めて活路を見いだせるようになった。すなわち、C2対称軸を有する、市販の光学活性ビナフトールを基軸とした第四級スピロアンモニウム塩をキラル相間移動触媒として用い、グリシン誘導体の触媒的不斉アルキル化反応による光学活性アミノ酸の不斉合成に関する基礎研究を推進させることにより、天然型および非天然型アミノ酸の不斉合成手法を開発することに成功した。
|