研究課題/領域番号 |
13554027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 平安女学院大学 (2002) 平安女学院短期大学 (2001) |
研究代表者 |
酒井 洋 平安女学院大学, 生活環境学部, 助教授 (90310648)
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研究分担者 |
梅村 純三 京都大学, 科学研究所, 助教授 (90027061)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | Langmuir膜 / 赤外スペクトル / 外部反射 / ステアリン酸 / ステアリルアルコール / ステアリン酸亜鉛 / 12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛 / 赤外分光器 / 水面上単分子膜 / 赤外線 |
研究概要 |
1 ステアリン酸の、L_2相と気体膜相との共存状態にあるLangmuir膜の赤外外部反射スペクトルを測定したところ、本来観測されるはずのメチレン伸縮振動バンドがスペクトルに現れなかった。ところが、ステアリン酸亜鉛ではバンドが観測された。この違いは、ステアリン酸の場合は分子がLangmuir膜中で動きやすく、赤外線照射による膜の温度上昇が引き起こす分子排除の影響を受けやすいが、ステアリン酸亜鉛の場合は、亜鉛イオンがステアレート分子と強く結びつき、またさらに亜鉛イオンを通してステアレート分子がネットワーク的に結びついているために分子が膜中で動きにくくなっているためであると考えられる。 2 ステアリン酸とステアリルアルコールのLangmuir膜の赤外外部反射スペクトルの経時変化を測定したところ、スペクトルのバンドは時間が経つにつれて強度が減少した。また、膜の表面積が狭いほど、バンド強度の減少の速度は遅くなった。この結果は、表面積が狭いほどLangmuir膜の表面粘性が高いために、水面上での分子の動きが遅くなったためであると考えられる。さらにステアリン酸の方がこの減少の速度は速かった。この結果も同様に膜の表面粘性の違いによる、分子の動く速度の差が反映しているものと考えられる。Langmuir膜の赤外外部反射スペクトルを正しく測定するには、測定時間に比べて、膜分子の排除の動きが十分遅い必要があり、今後これを踏まえた装置の設計を行う予定である。 3 ステアリン酸亜鉛と12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛のLangmuir膜の構造解析を行った。表面積変化に対する、あるいは表面圧緩和過程における、ステアリン酸亜鉛の炭化水素鎖と親水基部分の構造変化が明らかになった。また、12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛の炭化水素鎖の配向角が、ステアリン酸亜鉛と異なることが明らかになった。
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