研究分担者 |
楠 美智子 (財)ファインセラミックスセンター, 主任研究員
田中 成泰 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 講師 (70217032)
市橋 幹夫 (市橋 幹雄) 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (90345869)
岡本 篤人 (株)豊田中央研究所, グループリーダ研究員
OKAMAOT Atsuto Toyota Central Research Laboratory, Researcher
室岡 義栄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40273263)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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研究概要 |
カーボンナノチューブ(CNT)の電子顕微鏡用電界放出電子銃への応用を目指し,炭化珪素(SiC)表面分解法によりCNTチップを作製し,その電界電子放出特性を測定した。 CNTチップの作製方法を述べる。SiC単結晶の<0001>方向を軸とし,先端面積を0.5mmx5mmまで先鋭化したチップの基盤ロッドを特別な精密ダイアモンドカッターを用いて切り出す。加工層除去のためのエッチングの後,化学洗浄を行う。切り出した基盤ロッドの先端を収束イオンビーム(FIB)加工を行うことで先端面積をさらに先鋭化する。この時,SiCの(0001)表面の結晶性を維持することが重要であるため従来は,SiC表面に二酸化珪素(SiO_2)の層を作製,チップの保護膜としていたが,より簡便な処理を目指し,アルミニウム(Al)の真空蒸着をチップの保護膜とした。FIB加工の後,SiO_2層はHFで,Alは水酸化ナトリウムにより除去し,lPa,1700℃で6時間の真空加熱を行うことで,CNTを基盤ロッドの先端に配向成長させる。先端面積が0.2μm×0.2μmのものでもCNTの配向成長を確認することができた。また,このままではチップそのものの抵抗率が高いため,1×10^<-2>Pa,1700℃で10時間真空加熱することによりグラファイトの導電層を(1210)面に作製することを新たに行った。研究予定最終年度である平成15年度までに,実際にCNTチップを用いて透過電子顕微鏡像を撮影するまでには至らなかった。その理由は,電界放出型電子銃を搭載する予定の100W電子顕微鏡が製造後20余念経過しているため,到達真空度の低下等いくつかの不良点が出ていることによる。当該顕微鏡は現在修復,整備中である。
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