研究課題/領域番号 |
13555020
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上田 裕清 神戸大学, 工学部, 教授 (40116190)
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研究分担者 |
赤松 謙祐 甲南大学, 理工学部, 講師 (60322202)
八瀬 清志 独立行政法人産業技術総合研究所, 副部門長(研究職) (50175650)
成相 裕之 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (60116233)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 配列制御有機薄膜 / 共役系オリゴマー / 有機色素 / 摩擦転写膜 / 自己組織化膜 / フォトクロミック薄膜 / 偏光吸収・発光特性 / 有機電界効果トランジスター / 界面制御有機薄膜 / 一次元配向制御 / ピラジン誘導体 / スピロピラン薄膜 / 偏光特性 / フォトクロミズム / 会合体形成 / π共役オリゴマー / 転向制御 / メロシアニン薄膜 / σ共役鎖状分子 / オリゴマー / ポリマー二層膜 / 配向制御 / UV-VISスペクトル / PLスペクトル |
研究概要 |
有機/無機あるいは有機/有機界面で高度に分子配列制御した共役系有機薄膜を作成し、その配向構造と吸収・発光特性および電気・電子について検討した。 界面制御された基板としてアルカリハライド単結晶劈開面、ITO配向膜および高分子の自己凝集によりナノメートル・オーダーで界面制御されたポリマー超薄膜を用いた。アルカリハライド単結晶上に蒸着したメロシアニン誘導体は配向成長すると共にJ会合体を形成すること、ITO配向膜上でポルフィリン分子は高度に二次元成長した単結晶膜を形成することを見いだした。一方、各種ポリマー超薄膜を基板としてσ共役構造をとるオリゴシランおよびπ共役系オリゴマーのジスチリルベンゼン誘導体膜を真空蒸着することにより積層すると配向構造の異なるオリゴマー/ポリマー薄膜が作成された。配列制御オリゴマー/ポリマー二層膜は吸収および発光の異方性を示すことを見いだした。特に、ホモエピタキシャル膜は極めて顕著な偏光特性を示し、発光指向性薄膜の創成に成功した。また、ポリテトラフルオロエチレン摩擦転写膜をスペーサーとすることで高度に配向制御された有機/有機二層構造を有する機能性有機薄膜が作成できることを見いだした。例えばピラジン誘導体の配向膜は吸収および発光の著しい異方性を有することを、ペンタセンの配向膜はキャリア移動度が2桁以上異なるトランジスター特性を示すことを見いだした。さらに、電子顕微鏡と原始間力顕微鏡による分子レベルでの配向構造と各種分光法による巨視的構造の一致を明らかにし、従来大面積化が困難とされていたドライプロセスによるポリマーおよびオリゴマー配向膜の作製法を確立するとともに膜中の分子配向と光学特性、電気特性との関連付けにも成功した。 一方、一部のスピロピラン薄膜が結晶相においても可逆的フォトクロミック特性を示すこと、光異性化反応を利用することにより膜の濡れ性などの表面特性が制御できることを明らかにした。また,従来経時安定性や繰り返し安定性に問題が指摘されていたフォトクロミック分子に低屈折率でガス透過度の小さいコーティング剤として知られるSiOやMgF2による蒸着封止を行うことにより経時安定性に優れたナノメートル厚のフォトクロミック薄膜の作成に成功した。さらにフォトクロミツク分子のうちスピロピランは、紫外光照射とその後の熱処理によりメロシアニン型を経て、自己組織的にJ-会合体を形成することを見いだした。また、蒸着膜作製時に紫外光を照射することで直接J-会合体が形成されるという新たな手法も提案した。
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