研究分担者 |
山本 弘 日立建機株式会社, 技術開発センタ, 主任研究員
巨 陽 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60312609)
祖山 均 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90211995)
赤松 里志 電子磁気工業株式会社, 開発課, 技師(研究職)
|
研究概要 |
本研究は高分解能化と画像化による,現場対応を視野に入れた欠陥の高速定量評価を狙い,ミリ波による接触媒質不要型・非接触・非破壊計測技術の展開とイメージングコンパクトシステムの確立を目指したものである。二年継続により以下の実績を得た。 1.イメージングコンパクトシステムの構築 従来,マイクロ波等の研究に実験室で使用されている大型でかつ高価なネットワークアナライザシステムに代わり,現場への活用に適したイメージングコンパクトシステムを開発した。さらに試作したシステムにおけるミリ波の発生,送信,受信,計測等部分の最適化を実施し,コンパクトシステムの所期の機能を達成した。 2.反射型ミリ波集束センサの開発 楕円体面からなる反射ミラーを利用したミリ波集束センサを開発した。従来の誘電体レンズ型センサと異なり,ミリ波が空気中のみを伝播するため,レンズより生じる余分な減衰や反射が発生しない,感度が高いという特徴がある。これにより高い空間分解能で,かつ十分なリフトオフ距離を有する実用型集束センサを実現した。 3.電子デバイス・薄膜等における欠陥の高分解能検出と電気的特性の評価 ミリ波の反射率の振幅を測定することにより,電子パッケージのリードフレームと封止樹脂間の局部はく離の高分解能検出に成功した。これにより電子パッケージ内のはく離を空気中で検出することが可能になった。また開発したミリ波イメージングコンパクトシステムを用いて透明導電性酸化物薄膜の導電率の非接触計測に成功した。 4.金属材料表面上の閉じた微小き裂の定量評価 二次元き裂に対するき裂の閉じ具合に無関係な二周波数定量評価手法を開発した。またき裂閉口圧の評価手法を導入し,二周波数評価法に及ぼすき裂閉口圧の影響を明らかにした。さらに三次元き裂を対象として,き裂形状および寸法と干渉の影響を反映する干渉波形という量を見い出し,き裂の形状および寸法を求める手法を開発した。
|