配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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研究概要 |
CMC複合材料の異種界面の静的および繰返しせん断強度を評価するためには,それぞれの強度特性の把握と試験法の確立を図る必要がある。この目的を達成するため,インストロン社製のマイクロフォース試験機(荷重容量:1KN,荷重垂直軸方向変位精度0.5μm)を基本構造とした,マトリックス中の繊維の引き抜きおよび押し出しを可能とする異種界面せん断強度評価用の試験機の開発を行い,異種界面強度の特性評価試験を実施した。試験機の開発に際して,繊維の引き抜きおよび押し出しを可能にするためマイクロフォース試験機荷重軸先端のインデンターを改良するとともに供試材料中のマトリックス繊維部の正確な位置決めを可能にするためX-Yステージを新たに設置した。本試験装置の実証試験のための第1段階として,プラスチック樹脂/ボロン繊維間の繊維引抜きおよび押出し試験を実施し,その界面強度特性を調べた。供試材料としてボロン単繊維をテクノビット硬化樹脂およびエポキシ樹脂に埋め込んだ2種類の複合材を作製した。以下に得られた主な結果を述べる。 1)引抜き法と押出し法の負荷形式の違いによる剥離開始時の界面最大せん断力および剥離直後の界面せん断力にはほとんど差は認められなかった。 2)計測した荷重-変位特性は過去の研究結果と同様であった。これより開発した試験方法が妥当であることを確認できた。 3)有限要素法による数値解析のために本研究で用いた試験片モデルを作成し,計算を実施した。解析結果からせん断応力は試験片の上端部境界面(荷重の作用部分)で最大となり下端部境界面で最小となることがわかった。また,実験において得られた最大せん断力と試験片の厚みとの関係は有限要素法解析で得られた最大せん断応力とそれとの関係と一致しないことがわかった。 本研究成果の一部は日本機械学会M&M2003材料部門講演会で発表した。
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