研究概要 |
セパレータの薄型化しガス流路をマイクロチャンネル構造による電池の高出力密度化,氷点下における電池起動,加圧化による無加湿電池性能の向上を図ると共にメタノール改質装置の性能シミュレーションの開発とシステムを検討した。 (1)電池の高出力密度化セパレータの厚みを従来の4mmから0.6mmに薄くし,ガスの流れるチャンネルの深さをガスの圧力損失を考慮し1mmから0.2mmとマイクロチャンネル化した。さらに電池の大きさを従来の10×10cmから10×20cmに大きくしたマイクロチャンネル型電池を組立て性能を測定した結果は従来並みの性能である0.5A/cm^2,0.6Vを得ることが出来た。4セル積層電池の性能を評価した結果,電流密度0.4Vcm^2で2.5Vであった。出力密度に換算すると1.5kW/Lに相当し,内燃機関並の性能を得ることが出来た。さらに10セル積層した電池0.4A/cm^2で5Vの性能を得たご電池を積層することによって電池性能が若干低下している。これは多層化することによりガスの流れるチャンネルの数が増加し,チャンネル内に水分が凝縮することによって,流れが不安定になりガスの編流が起ったと考えられる。 (2)氷点下における電池性能氷点下の低温においては,カソードに生成する水分が反応面に凍結し酸素の拡散を阻害するため時間と共に性能は低下する。この傾向は電流密度が高いほど生成する水分量が多くなるので,加速する。しかし-5℃程度であれば電気化学反応に伴って発生する熱により加熱されるので,他の熱源によって加熱する必要がなく自立運転が可能である。 (3)加圧化における電池性能電池を低温から起動する場合,湿度が低いため水分の供給が不足し電池性能が低下するが,加圧した場合ではその影響が少なくなり,電流密度0.2A/cm^2までであれば無加湿運転が可能である。 (4)メタノール改質装置改質器での熱の供給を燃焼熱を直接利用するオートサーマル方式を検討し水素収率が高くCO濃度を10ppm以下にするガスの供給,温度条件,触媒量を明らかにした。さらに燃料系,空気供給系,熱交換器系,燃料電池,水の回収供給系、電力変換・制御系.より構成したkW級システムを完成した。
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