研究分担者 |
斉藤 正毅 株式会社スズキ, 技術研究所, 研究員
後藤 博史 株式会社サムスン, 総合技術院, 研究員
森川 広一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (00282830)
林 巖 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80016790)
|
研究概要 |
多次元の振動変位を高精度に実時間で測定可能な次世代レーザ干渉計の開発が強く望まれている.そこで本研究では,2次元フーリエ変換による干渉像位相検出器をもつ4開口法レーザスペックル干渉計を提案し,その精度検定を行って誤差低減の手法を検討するとともに,2次元フーリエ変換を実時間で行うアナログ電子回路の設計を行った.得られた主な成果は以下の通りである. (1)4開口法レーザスペックル干渉計の設計・試作 被測定体からのレーザ散乱反射光を4開口板を通して集光して得られる格子状干渉像をCCDエリアセンサで検出し,相関法により干渉像の変位を求める4開口法レーザスペックル干渉計を試作し,2次元面内変位測定に成功した. (2)干渉像の2次元フーリエ変換の理論解析 格子状干渉像の2次元フーリエ変換の理論解析を行った結果,干渉縞周波数の2倍の空間周波数の位相スペクトルが干渉像変位に比例することを示し,相関法に比較して極めて高速な測定が可能であることを示した. (3)測定精度と誤差要因の検討 静的変位の測定実験を行い,干渉像の像質および干渉像の変形と測定誤差との関係を調べた結果,干渉像の平均可視度が高いほど,変位前後の像間の相互相関係数の変動が小さいほど,干渉像内の位相変動が小さいほど測定誤差が小さいことが明らかになった.特に,格子状干渉像内の位相変動が測定精度に大きな影響を及ぼすことがわかった. (4)測定誤差の低減手法 平均可視度が高くかつ像内の位相変動が小さい干渉像が得られるレーザ照射点を選択し,干渉像に25点中間値フィルタをかけることにより,測定誤差が低減して高精度の測定が可能なことを示した. (5)2次元フーリエ変換電子回路の設計C-MOSイメージセンサからの光強度信号に正弦波・余弦波信号を乗じた後に積分することにより2次元フーリエ変換を行って格子状干渉縞周波数成分の位相のみを求めるアナログ電子回路を設計した.
|