研究概要 |
1.研究目的 薄膜金属ガラスを用いて,基板面外に駆動可能な新しいマイクロアクチュエータ(基板面外駆動マイクロアクチュエータ)を試作するために,以下の検討を行うことを目的とした. (1)新しい基板面外駆動マイクロアクチュエータの考案. (2)精度の高い立体的構造を有する基板面外駆動マイクロアクチュエータの製作方法の検討. (3)試作した基板面外駆動マイクロアクチュエータの変位特性,応答性の評価と光ピックアップヘの展開を念頭においた特性評価. 2.研究成果 これまでの薄膜金属ガラスの微細加工,微細成形技術をもとに,新しい基板面外駆動マイクロアクチュエータとして,マイクロレンズアクチュエータ(MA : Micro Lens Actuator)を考案,試作した.測定した性能を以下に示す.(括弧内は仕様値) (1)ストローク:0.85μm(1μm) (2)駆動対象物:質量0.89mg,直径1mmのガラスダミーレンズ (質量1.5mg直径1mmガラスレンズ) (3)傾き誤差:0.02°(0.8°以下) (4)応答周波数:3.54kHz,(1kHz以上) (5)耐衝撃性:800G以上 (6)駆動電圧:50V 以上より,ストロークが若干仕様に対して不足しているものの,ほぼ仕様を満たすマイクロアクチュエータを実現することができた. 3.今後の課題 今後の課題として,試作したMAを,次世代の高記録密度MOの光ピックアップとして製品化するための生産性,工程の検討を行う必要がある.さらに,ストロークの増大と駆動電圧の低減をはかる.
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