研究概要 |
1.各種ガスの消滅特性を熱力学・輸送特性から評価した。特に,H_2ガスは静止ガス中でも消弧能力が高い。 2.ビスマス系高温超電導バルクの交流通電特性を評価し、磁束流抵抗を利用する限流方式を提案した。 3.消弧ガスとしてH_2およびAirを用いたハイブリッドガス遮断器モデル装置の遮断試験を実施した。その結果,空気による同一ガス構成の2遮断点構成の場合より遮断限界電流が倍以上に高まることを明らかにした。 4.電流零点後の過渡回復電圧電圧に対して,熱的遮断能力の低いAirで熱的再発弧が生じ,全過渡回復電圧がH2に印加されているが,H2のほうは熱的に再発孤せず,ハイブリッド器として熱的遮断に成功している。 5.上記の検討とは別に,単独アーク遮断過程そのものの基礎的検討の一つとして,陽極・陰極降下電圧の分離計測手法を提案し,Cu系,Ag系およびW系電極間アークの陽極・除極降下電圧を明らかにした。 6.高温超伝導素子を直並列接続する場合,銀プレートを介して加圧熱処理することにより,接続部の損失を大幅に低減できることを確認した。 7.ミアンダ型Bi2223バルクを用いた磁束流抵抗型限流素子および遮断部に継電器を用いて、小型の簡易ハイブリッド限流遮断装置を構成し,限流遮断試験を実施した。継電器が電流遮断に失敗する規模の電圧を印加した場合において,ハイブリッド構成にすることによって,遮断成功することを確認した。 8.Mayrアークモデルを用いて限流遮断課程を解析した。アーク時定数およびアーク損失および限流インピーダンスをパラメータにとって,成否を検討し,遮断器と組み合わせる限流器最小限必要な限流インピーダンスの大きさを評価した。
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