研究分担者 |
深道 和明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005969)
島田 寛 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (00006157)
岡本 聡 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (10292278)
萩野谷 千積 株式会社日立製作所, 研究員
大谷 義近 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60245610)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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研究概要 |
将来の超高密度磁性メモリーにおいて,記録ビットの最小サイズは1個のナノ粒子程度(〜10×10nm^2)に達することが予想される.このような状況では,メモリーを構成する一個一個のナノ粒子の磁気的挙動が情報品質を支配する筈であり,したがって個々のナノ粒子の磁気的性質を定量的に把握する必要がある.しかし従来の技術では測定感度が圧倒的に不足しているためその実現は不可能であった.そこで本研究では先ず異常ホール効果を利用した超高感度磁化測定技術を開発した.その検出感度はFePtの場合10^<-14>emu以下に達し,ナノ粒子1個の測定が可能である.次いで,将来の超高密度メモリー材料として有望視されるL1_0構造FePt(001)単結晶ナノドット規則配列格子を作製し,それら1個1個の磁気挙動を上記測定技術を用いて系統的に調べた.その結果,直径D_m<20nmに於いてドットは理想的にコヒーレントモード(Stoner-Wohlfarth model)に従って振舞い,それ以上のサイズではインコヒーレントモードに変化することが明らかになった.このD_m〜20nmという臨界サイズはマイクロマグネティクス理論から予測される交換結合長L_<ex>〜35nmとほぼ一致し,このことからドットサイズを交換結合長以内に抑えれば,ほぼ理想的にコヒーレントに振舞うことが実証された.このモード領域では,高密度メモリーに求められる特性(例えば高速スイッチングやデータの長期保存性など)を引き出しやすく,更にシステムに適合した材料設計も容易という大きなメリットがある.今回の実験と理論計算によれば,代表的メモリー材料であるCo基合金やFePtなどの場合,交換結合長は20〜40nm程度であるので,磁性ナノ粒子の集合体や規則配列格子で超高密度メモリーを構成する際には,メモリー単位をこのサイズよりも小さくすればよいことがわかった.こうした基礎的な知見を基にナノ磁性ドット規則配列格子メモリーのシステム設計を行い,1テラビット/平方インチという超高密度メモリーを実現できる材料とディメンジョンを明確にした.
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