配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2003年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
半導体デバイスを開発していく上で、ヘテロエピタキシャル成長を必要とする場合が多い。窒化物系半導体は、基板としてサファイアを用い青色発光素子として実用化されている。また、酸化物超伝導膜、誘電体薄膜などの酸化物系薄膜成長の基板としてもサファイアや単結晶酸化マグネシウム基板が用いられている。しかし、多くの問題点(価格,口径、熱伝導、絶縁体など)がサファイアなどの酸化物基板を用いていることには存在している。サファイアと同じ安定な単結晶のAl_2O_3薄膜をシリコン上に高品質に形成し、これをヘテロエピタキシャル成長基板とすることは、上記の点から、将来多くの展望を開くことができる. 強誘電体メモリを構成する基本構造であるMFIS構造を作製することを目的として,絶縁層にシリコン上に高品質に成長した単結晶のAl_2O_3薄膜を用い,その上にゾルゲル法でPZT薄膜を堆積した.その結果下地のエピタキシャルAl_2O_3薄膜の結晶方位に沿ってPZT薄膜がエピタキシャル成長することができた.さらに,エピタキシャルAl_2O_3薄膜は,PZTの主成分である鉛のシリコン基板中への拡散を抑制できることがわかり,強誘電体薄膜成長用基板としての優位性が明らかにできた.この構造によるヒステリシス特性は大きなメモリウィンドを持ち,強誘電体メモリへの応用が期待できた.つぎに赤外線センサまたは超音波センサを目指して,エピタキシャルAl_2O_3薄膜/シリコン基板上への,白金のエピタキシャル成長を試みた.下地の基板にそって白金薄膜をスパッタ法でエピタキシャル成長することに成功した.続いてこの白金上にゾルゲル法でPZTを成長させたところ,そのPZT薄膜が強く下地の基板に沿って配向した.このPZN薄膜の焦電特性を評価したところ,焼結体バルク基板とほとんど同じ値を得ることができ,高速応答性を持つ焦電センサ応用へのポテンシャルが示せた.
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