研究概要 |
研究実施計画に従って研究を遂行し,以下の成果を得た. 1.多数の視点からの映像情報を統合・再構築して運転者にとって分かり易い画像の形で呈示するHIR(Human-Oriented Information Restructuring)システムの基礎検討を行った. 2.HIRシステムの一例として,2次元射影変換と車の高さ推定を組み合わせた任意視点映像生成アルゴリズムを開発し,任意の視点からの交差点俯瞰画像を生成する「鳥瞰図生成システム」を構築した.実物の1/24スケールのジオラマを用いた実験を行い160x120の画像サイズで毎秒10フレームの速度で鳥瞰図を生成することに成功した. 3.交差点右折時に対向右折車が障害となって生じる死角を解消するため,対向車両や路上に取り付けたカメラの映像を運転者にわかりやすく提示をする手法を検討し,ジオラマ上で有効性を確認した. 4.上記1-3で開発したアルゴリズムの実証実験を行うため,実験車両を構築した.自車両としてPCを5台とカメラ3台,GPSセンサー,3軸角度センサーを各1台搭載したものを,対向右折車として,PC,カメラ,GPSセンサー,3軸角度センサーを各1台搭載した実験車両を構築した.また,インフラ側カメラとして,交差。点の信号機にカメラおよびPCを設置した. 5.実験車両を用いて交差点右折時における運転者補助画像をリアルタイムに生成し,自車両の車載モニターに提示するシステムを構築し,実環境下で評価した.その結果,死角となっている対向直進車の存在を運転者が正しく認識することができることを確認した. 6.以上の結果を総合し,多視点画像情報の統合利用が運転支援に有効であるとの結論を得た.
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