研究分担者 |
柳澤 雅広 日本電気, 機能デバイス研究所, 主管研究員
大島 康司 愛知江南短期大学, 教養学科, 助教授 (60293651)
福澤 健二 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (60324448)
伊藤 淳 東芝デジタルメディアネットワーク社, 光磁気ストレージ開発センター, 研究グループ長
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研究概要 |
光学的反射面をもつ微小物体を対象にして,マイケルソン顕微干渉法を応用して,光学的反射面に干渉縞を形成して,この干渉縞の縞パラメータを面の位置と傾斜を表す面パラメータに変換して,物体の三次元位置・姿勢を同時に測定する技術を確立した.また,この方法を,ナノすきまでディスク上に浮上する磁気ヘッドの浮上すきまの測定に適用して,ガラス背面とスライダ潤滑面に形成される二つの干渉縞の位相差を利用して,すきまを高精度に測定する方法を開発した.干渉縞の間隔を参照面の駆動量から同定することにより,すきま分解能を0.83nmまで微小化するとともに,空気とスライダ表面の多層膜を考慮した反射特性のシミュレーションを用いて,反射に伴う位相の回転を補正して,高精度化を実現した.また,実際のヘッドディスクを用いた実測により,ナノメートルすきまの高精度測定が可能であることを確認した.得られた結果を要約すると以下のとおりである.1)マイケルソン干渉光学系において,採取する縞本数が1本になるように調整し,また参照面を半波長相当分駆動することにより縞間隔を同定する縞間隔の外部同定法を導入して,すきま分解能0.83nmを実現した.2)気体潤滑膜,スライダ表面のDLC膜・Si膜,およびスライダの基材を光学的多層膜とするモデルを用いて,多光束干渉シミュレーションを行い,観測された光学的すきまから,シミュレーションで得られた位相の回転量を補正することによって,DLC膜表面とガラスディスクとのすきまを求める手順を示した.3)実用されている浮動ヘッドスライダを用いてすきま測定実験を行い,浮上シミュレーション結果と比較した.実測したすきまは浮上シミュレーション結果とよく一致した.また測定値のばらつきの最大値4nm,標準偏差0.6nmであり,実用上十分に高い再現性が得られることを確認した.
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