研究分担者 |
伊藤 博 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70274561)
日高 浩一 東京電機大学, 工学部, 助教授 (10321407)
長岩 明浩 (株)東芝, 電力・産業システム技術開発センター, 主務
山中 理 (株)東芝, 電力・産業システム技術開発センター, 研究員
長岩 明弘 (株)東芝, 電力・産業システム技術開発センター, 主務
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2003年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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研究概要 |
当該研究期間(3年間)のまとめとして、1・2年目はモデリング、観測器、センサなど個別の要素技術を確立し、最終年度は制御系設計を行った。具体的には、窒素除去を目的とした下水高度処理プロセスの一つである循環式硝化脱窒プロセスを主な対象として,最適性,ロバスト性,信頼性,柔軟性,実現性,分散性の要請に応えた実用可能なプロセス制御系の設計法の最終的な提案、およびパイロットプラントによる実施実験を行い,解決すべき問題について検討した. 提案した構成法は,プロセス全体の最適化を行う上位系と,単一の目的に対して単一の操作量を発生する下位系からなる二層構造の制御系構成である.上位系については,(1)制約付き非線形最適化問題として重み値を定式化し,これを解くことにより実用性を備えた制御系を設計することに成功した.(2)適応極値問題として定式化することにより,オンラインで極値にホールドする制御系の構成法に成功した.一方,下位系については,(1)アンモニア計や硝酸計などの水質センサの信頼性評価およびフィードバックコントローラ(PI制御)の構成法と調整法を提案し,パイロットプラントによる実証実験を行った.具体的には,オンラインセンサの信頼性について手分析の水質データと比較検討を行い,測定精度の問題点を指摘し,センサ設置位置の検討を行った.(2)ポジティブシステム問題の解法に消散性を導入することで成功し,循環式硝化脱窒プロセスの制御限界について理論的な解明を行った.(3)活性汚泥プロセスモデルのあるクラスに対する非線形オブザーバアルゴリズムの設計法を提案し,有効性の検証を行った.具体的には,対象とする活性汚泥プロセスモデルの非線形モデルが線形の座標変換を行うことで不可観測の状態に関して線形モデルへ変形ができることに着目し、変換後のモデルに対して線形理論を応用する手法を確立した,さらに,モデルのパラメータが未知の場合に必要となる適応オブザーバ設計に関連し、内部モデル原理による未知パラメータ推定則の理論研究を行った.(4)ASM2を特異摂動論的手法により低次元化し源モデルとほとんど変わらない応答を示す低次元化モデルを開発した.
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