配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
1.散乱振幅を計測し,固体内部の欠陥形状を再構成する線形化逆散乱解析法を定式化した.ここでは,計測との対応を考慮し,使用するセンサーのビーム特性と周波数域特性を取り入れた欠陥形状再構成システムとした.また高周波数域近似と低周波数域近似に基づいた2種類の線形化式を組み込み,面状欠陥と体積状欠陥の識別機能を有するものとした.欠陥形状再構成システムにはFFTを活用し演算の高速化を図った. 2.非均質材料としてコンクリート製の円柱供試体の内部欠陥を対象とし,全方向からの計測波形を用いて欠陥形状の再構成を行った.現場での計測を意図した場合,同じ非均質材料から参照波形を計測することが困難である場合が多いため,均質材料であるとみなせるセメントペースト中の平面空洞からの反射波形を参照波形として利用するデータ処理方法を提案した.このデータ処理では非均質部の影響を考慮する必要があるが,骨材による位相速度の周波数変化が見られないことから,コンクリートとセメントペーストの群速度の違いのみを考慮する伝播距離・時間に関する補正項を導入した.このデータ処理方法を適用して導出された散乱振幅を用いた場合,ボルン,キルヒホフ両逆散乱法において欠陥形状が再構成できることを示した. 3.円柱供試体における計測では探触子と座標原点の距離が計測点によらず常に一定であったのに対し,平面計測の場合は各計測点によってその距離が変化するためこれを考慮する必要がある.そこで,探触子と送信焦点間の距離の補正項を導入した.また超音波の透過係数や母材の減衰量を考慮するデータ処理方法を提案した.そして,P波およびSV波を用いた逆散乱解析を行い,欠陥形状がある程度再構成できることを示した. これらにより,非均質性や平面構造を有する土木構造物に対するリアルタイムイメージング技術として線形化逆散乱解析法が適用できる可能性を示したと考える.
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