研究課題/領域番号 |
13555127
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
構造工学・地震工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀井 秀之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10181520)
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研究分担者 |
井上 純哉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70312973)
松本 高志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40301121)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 岩盤浸透流解析 / ジョイント / MBC解析 / 高レベル放射性廃棄物処分 / 安全性評価 / 掘削影響領域 / ジョイントネットワーク / 不連続性岩盤 |
研究概要 |
原位置から得られたジョイント表面形状の計測データを元に、ジョイントにより分割される二つの領域からならメッシュを生成し、弾性体二体の接触問題として三次元有限要素解析を行うことで、与えられた直応力及びせん断変位に対してジョイントの開口幅分布を求める解析手法を開発した。更に、開発された手法により求まった開口分布幅を入力データとして、ジョイント内の非圧縮性粘性流体の解析を実施した。解析の結果、ジョイントの透水特性は直応力・せん断変位の変化により大きく変化することが確認された。特に、流れの方向により透水量が変化すると言う透水特性の異方性は、せん断変位に大きく依存することが明らかになり、せん断方向と垂直な方向と平行な方向への流量比はせん断変位初期に極大となり、せん断に伴い減少する傾向がある事が示された。 せん断変位及び直応力の変化に伴う単一亀裂内の有効透水量係数の変化を、解析的に近似解を求めることにより評価する手法の開発をした。開発された手法により、ジョイントの表面形状の平均、分散、自己相関関数といった統計モーメントを用いることで、任意のジョイント表面形状に対し様々な状況におけるジョイント透水特性の予測が簡易な近似式を通して評価することが可能となった。また、開発された手法を用いることで、既往の実験及び様々な数値解析で見られるせん断変位に伴う亀裂のダイレイションに起因する平均開口幅及び透水量係数の急激な増加、及び透水特性の異方性の変化を解析的に説明することが出来た。 以上の研究成果を踏まえ、開発された手法は以下のようになる。 まず、不連続性岩盤におけるトンネル掘削の解析をマイクロメカニクスに基づく連続体モデルを用いて実施し、異なる方向と平均間隔を有するジョイントセット毎にジョイントに作用する直応力及びせん断変位の空間分布を求める。その結果に基づき、各ジョイントの透水特性を開発された近似解を用いることで求め、ジョイントネットワーク解析を行うことでジョイントネットワークを有する岩盤の平均的透水係数を求める。最後に、得られた岩盤の平均透水係数を用いることにより、トンネル周辺岩盤の平均的な透水係数の空間分布を求め、等価連続体の浸透流解析を実施する。開発された手法を用い、様々ケースにおける解析を行うことでその有効性を示した。
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