配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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研究概要 |
前段UASB反応槽,後段好気性反応槽で構成する廃水処理装置(循環比2)を用い,実都市下水および低濃度人工廃水の連続処理実験を行った。その結果,以下の知見を得た。 1)実下水処理実験における,原水の硫酸塩含有割合は0.50gS/gBODと比較的高いレベルであり,UASBには硫酸塩還元細菌,好気槽には硫黄酸化細菌の増殖した。一方,UASB内のメタン生成活性は,酢酸基質,水素基質共に硫酸塩還元活性より低いレベルとなった。 2)都市下水のように流入BODsに対する硫酸塩含有率が高くなりやすい低濃度廃水では,循環措置を施すことによって硫酸塩還元細菌と硫黄酸化細菌を利用した硫黄サイクルが活性化され,有機成分の除去が可能であることが分かった。実下水処理装置による連続処理実験(RUN2;設計HRT12hr,UASB槽内温度17〜33℃)では,流入原水の平均全BOD濃度303mg/Lが処理水で13mg/Lまで処理できた。 3)低濃度人工廃水の連続処理実験(R6;HRT24時間,平均UASB槽内温度12.2℃,流入硫酸塩濃度100mgS/L)では,平均全COD除去率93%(平均全COD濃度30mg/L)を達成し,最終処理水の全BOD濃度20mg/L以下を得た。R6期間中のCODバランスをとると,流入CODの46%がUASB槽内で硫酸塩還元反応により除去され,45%が散水ろ床で除去される割合であった。 4)チオ硫酸酸化細菌の至適温度は25〜35℃間の中温域にあり,チオ硫酸酸化活性試験温度5℃の条件においても0.14gS/gVSS/dayという活性が維持された。このことから硫黄酸化細菌が中温から低温までの条件下において廃水処理システムの硫化物酸化に寄与し得ることが分かった。
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