研究課題/領域番号 |
13555156
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大森 博司 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (90092387)
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研究分担者 |
小田 憲史 株式会社太陽工業空間技術研究所, 所長・研究員
南 宏和 株式会社太陽工業空間技術研究所, 研究員
呉 明児 名古屋大学, 環境学研究科, 助手 (90314046)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
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キーワード | 膜構造 / 膜張力 / 音源 / 固有振動数 / 共振現象 / 共振モード / 非接触変位計 / 二軸引張試験器 / 共振現像 / 張力 / 張力測定装置 / 非接触測定 / 維持管理 / レーザー変位形 / 音波加振 / 二軸引張装置 |
研究概要 |
ここで新たに提案する膜張力測定の原理は、膜面を可聴域の振動数を持つ音波で加振し、膜面の持つ固有振動数近傍で起こる共振現象の振動数と波長を測定することで、間接的に膜内に作用している二軸方向の張力を同時に測定するものである。理論的検討によれば、膜面に生じる直交二方向の張力をそれぞれ別々に特定できる可能性は非常に大きく、これが実現できれば世界で初めてのものとなる。この考え方による測定の結果と理論的予測が一致するのか否か、どのような条件の時に一致するのかなどが確認できれば、実用的な精度で膜張力を測定する手法の新たな開発への基礎となり、これに基づいた測定装置が実現すれば、膜構造物の設計施工の技術分野に対する貢献は非常に大きい。 本研究は平成12年度科学研究助成(萌芽的研究)の助成を受けて行われた予備的検討によって得られた成果を受けて、膜張力の簡易測定装置開発の実用化に向けての検討事項を逐一明らかにし、実際に試作器を製作してその性能の検討を行うことを目的として行った。 まず、第一年目にA種膜材が可聴領域の音波により測定可能な大きさの共振現象を起こすことを確認し、試作器の製作を2回行った。第一世代の試作器として、アクリル製の箱に音源と非接触変位計測装置を組み込んだ試作装置を製作し、膜張力の計測実験を行った。その結果、張力レベルの低い部分での精度が非常に悪く、その原因が箱内の空気の振動であると考えられたため、第一世代の改良機として、箱上部の蓋を取った試作器を製作し、これによる実験を行った。その結果実際の膜構造で用いられる張力の範囲(1kgf/cm〜10kgf/cm)で精度の大幅な向上が見られた。 引き続き第二年目には、アクリル製の箱内部の空気の影響を完全に除去するため、フレームで構成された第二世代の試作器を製作し、(株)太陽工業空間構造研究所の二軸引張装置を借用して計測実験を行った。その結果、側面は音源エネルギーを膜面に集中させる効果があることが判明した。以上の結果から、張力測定装置の効果的な形式がほぼ解明されたので、今後は実用化に向けた研究を目指す予定である。
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