研究課題/領域番号 |
13555168
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
深道 和明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005969)
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研究分担者 |
藤田 麻哉 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10323073)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | 遍歴電子メタ磁性転移 / 等方性巨大磁歪 / 水素吸収 / 多重磁気相転移 / 磁気体積効果 / 磁歪材料 / 水素侵入 |
研究概要 |
本研究により得られた成果の概要を以下に記す。 1 遍歴電子メタ磁性La(Fe_xSi_<1-x>)_<13>化合物の等方性巨大磁歪に関する研究 L(Fe_xSi_<1-x>)_<13>化合物(0.86【less than or equal】x【less than or equal】0.90)は、T_C〜200K直上で遍歴電子メタ磁性転移を示す。また、転移に伴う1μ_B程度の磁気モーメントの変化により、1.5%程度の体積変化が生じる。この体積変化を磁歪材料に応用するため、本化合物への水素吸収によるT_Cの室温への制御を行った。La(Fe_<0.88>Si_<0.12>)_<13>H_<1.0>化合物では、T_Cが278Kまで上昇し、従来型のタフェノール材料に匹敵する巨大等方性体積磁歪が室温近傍で観測された。 以上よりLa(Fe_xSi_<1-x>)_<13>H_y化合物は従来材料を凌駕する磁歪の大きさを示すことに加え、従来材料で得られない等方的特性を示すため、デバイス形成時の組織制御の必要性などの問題を解消できる全く新しい磁歪材料として有望である。 2 多重磁気相転移を示すLa(Fe_x_Al<1-x>)_<13>化合物の磁気体積効果と磁歪の研究 La(Fe_xAl_<1-x>)_<13>化合物は、0.60【less than or equal】x【less than or equal】0.86の組成範囲で強磁性であるが、0.87【less than or equal】x【less than or equal】0.92においては反強磁性になる。さらに反強磁性相において、強磁場印加により、強磁性への1次相転移が出現する。また、0.86<x<0.87の範囲では、転移温度T_0において温度誘起強磁性-反強磁性1次転移が観測された。遍歴電子系の場合、これらの相転移において磁気モーメントの振幅も変化するため体積変化が生じる。T_0近傍での熱膨張測定において、約0.5%の等方的体積変化が観測された。さらに、x=0.88の磁場誘起反強磁性-強磁性転移により、約1.0%の等方的な体積磁歪が誘起されることが明らかになった。すなわち、本系においては、磁気モーメントの振幅が種々の磁気相転移に伴い顕著に変化するため、大きな等方性磁歪が発現することが明らかになった。
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