研究課題/領域番号 |
13555176
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
竹中 正 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70096709)
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研究分担者 |
野村 武史 TDK株式会社, 基礎材料研究所, 取締役・所長
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2002年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2001年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | ビスマス層状構造強誘電体 / チタン酸ビスマスナトリウム / 強誘電体 / 無鉛圧電セラミックス / 圧電性 / 電気機械結合係数k / 機械的品質係数Qm / レゾネータ / 電気機械結合係数 |
研究概要 |
科学研究費補助金(基盤研究B(展開))等を得て、我々がこれまで長年取り組んできた非鉛系圧電セラミックスの実用化に貢献できる材料開発のデータを基礎として、その研究をさらに発展させ、非鉛系圧電デバイスを新しく開発することを目的としている。具体的には、その基礎研究の結果から最も実用化に近いと考えられるビスマス系強誘電体セラミックスに着目し、その代表であるチタン酸ビスマスナトリウム(Bi_<1/2>Na_<1/2>)TiO_3[BNT]系固溶体強誘電体およびビスマス層状構造強誘電体[BLSF]を取り上げ、非鉛系圧電セラミックスとして実用化出来ると考えられる組成を絞り込み、それらの圧電的性質諸特性を詳細に調査した。さらに、その最適組成の圧電セラミックスを用いて、新機能非鉛圧電デバイスを設計・試作し、そのデバイスの性能を、従来のPZT系圧電デバイスと比較して、詳しく調査した。 以上の結果、次のような研究成果を得た。 (1)BLSFの一つであるBi_3TiTaO_9(BTT)を主体としたSr_<x-1>Bi_<4-x>Ti_<2-x>Ta_xO_9(SBTT2)およびBi_<3-x>La_xTiTaO_9(BLTT2)セラミックスは、適当な分極処理を施すと、大きな機械的品質係数Qmを持つことがわかった。 (2)高いキュリー点T_cと大きな抗電界E_cを持つBLSFセラミックスは、本質的に、大きなQmを有しており、それらの性能を充分に引き出すには、250〜300℃程度の高温での分極処理が有効である。本年度購入設備備品である「高電圧発生装置」は高温・高電圧下での分極処理にたいへん有効であった。 (3)SBTT2セラミックスを使用して、非鉛圧電デバイスであるレゾネータを設計・試作し、その性能評価を行った。 (4)以上の研究結果を総合すると、高いQmをもつSBTT2およびBLTT2セラミックスはその特色から判断して、次世代モバイル通信の要となる非鉛系レゾネータやフィルタなどの新機能非鉛圧電デバイスを構成する有力な候補と考えられ、本研究の大いなる有用性を示すものである。
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