研究課題/領域番号 |
13555177
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大内 千秋 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00312603)
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研究分担者 |
佐原 亮二 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30323075)
大石 政治 タイゴールド株式会社, 開発, 技術部・室長(研究職)
渡辺 雅俊 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10240524)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 極細線 / 箔帯 / 生体適合性 / β型チタン合金 / 物理吸着法 / 超高強度 / 複合材料 / 機能的電気刺激 / 生体内マイクロマシン / TiN被覆 / 生体用新β型チタン合金 / PVDコーテイング / 生体材料 / ステンレス鋼 / PVD / 細胞毒性 / 冷間加工性 |
研究概要 |
生体内で使用される機能的電気刺激用電極(FES)や金属ステント、あるいはマイクロマシン用材料等では高強度チタン合金の箔帯や極細線の開発が望まれている。冷間線引きしたステンレス鋼の極細線(25μm線径)にPVD(物理吸着法)によりTiN被覆を行うと極細線の強度が超高強度化することに見いだし、以下の研究を4項目の研究を行った。1.箔帯や極細線の製造が可能となる冷間加工性に優れた生体用新β型チタン合金の開発、2.開発合金による箔帯及び極細線の試作、3.TiN被覆したステンレス極細線の強度特性評価及び長尺の極細線にTiN被覆する実験室的方法及び工業的PVDプロセスの検討、4.その応用研究としてFES電極用として生体模擬環境における腐食疲労特性評価及び極細線と薄板の積層化による複合材料化の検討。研究結果は以下のように集約できる。 (1)目標特性を満たす合金として新β型チタン合金Ti-14%Mo-3%Nb-1.5%Zr-0.08%[○]合金を開発できた。本合金はTi-6%Al-4%V合金とほぼ同等の生体適合性を有する一方、非常に優れた冷間加工性を有することが確認された。 (2)開発合金による箔帯は33μm厚み,極細線は50μm線径までの試作が出来た。加工設備上の選択や製法の最適化により開発合金はさらなる薄肉化・極細線化が可能であること、また、冷間加工時の焼き付き防止法として陽極酸化処理法が有効であることが明らかになった。 (3)冷間線引きままの25μm線径のオーステナイト系スレンレス鋼の引張強度(約2400MPa)はサブミクロ厚みのTiN被覆を施すとその引張強度は3100MPa以上まで超高強度化することが明らかになった。工業的に極細線を連続的にTiN被覆するプロセスと成膜条件を検討し、それらプロセスの図面化を行った。 (4)TiN被覆したステンレス鋼極細線を19本撚り線化し、310Kの生理食塩水溶液での回転曲げ疲労試験結果は被覆なしの撚り線に比べて、高サイクル側で顕著な摩耗腐食が抑制され、疲労特性が大幅に改善された。すなわち、本方法のFES電極への適用の有効性が示唆された。TiN被覆したステンレス鋼極細線と常温超塑性を示すZn-Al合金薄板と積層化による複合材料の検討は、予備試験段階にとどまった。
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