配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2001年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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研究概要 |
火力発電プラントなどの高温高圧機器に使う材料には,安全率を低減し,より厳しい条件で使うことが望まれている。しかし。材料特性の不確実さのために,現状の安全率は大きい値のままである。本研究では,材料特性の不確実さを生ずる3つの例について検討し,以下の成果を得た。 1 長時間クリープ特性の評価 破壊機構変化のために変化にともなって,クリープ破断時間の温度依存性が変化することがある。この活性化エネルギー変化を無視する従来の外挿手法では,長時間の材料性能を過大評価することになる。SUS316鋼の解析の結果,ヒート間差,外挿に伴う誤差と材料性能本来のばらつきが,それぞれ長時間特性の不確実性に3:3:2の割合で寄与していることが分かった。 2 先進高Crフェライト鋼母材での早期破断 先進高Crフェライト鋼は,短時間側では粒内破壊し,長時間側では粒界破壊へ遷移する。この破壊モード変化のために,短時間試験結果に基づいて,長時間特性を予測すること際に誤差が導入される。粒界破壊はクリープキャビティの成長合体でおきる。キャビティは粗大析出物(Fe_2W, M_<23>C_6)を起点として発生する。したがって,析出物の成長を測定することが破壊モード変化の目安を与える。 3 先進高Crフェライト鋼溶接熱影響部での早期破断 溶接部のタイプIV破壊は高Crフェライト鋼溶接継手の早期破断の重大な原因である。クリープキャビティは,粗大なM_<23>C_6炭化物粒子に発生し,2相HAZ部でのクリープ変形に誘起されて成長する。したがって,M_<23>C_6炭化物の成長の計測がタイプIV破壊の予知に役立つ。
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