研究課題/領域番号 |
13555193
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
豊岡 了 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90019753)
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研究分担者 |
冨永 学 茨城工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (40237128)
門野 博史 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (09750052)
加藤 寛 埼玉大学, 工学部, 教授 (80107375)
孫 萍 富士写真光機株式会社, 光学機器部, 研究職
PING Sun FUJI PHOTO OPTICAL Co. LTD, OPTICAL INSTRUMENTS DEPARTMENT
門野 博史 埼玉大学, 理工学研究科, 助教授 (70204518)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 電子スペックル干渉法 / DESPI / マイクロDESPI / 和作法およびヒルベルト変換法による位相解析 / 金属の引張り試験 / 金属の疲労試験 / 開花過程 / MEMSの動作解析 / 電子スペックル干渉法(DESPI) / ヒルベルト変換法による位相解析 / 塑性変形の波動的伝播現象 / 変形の時空間解析 / 植物の変形 / ESPI / 位相解析 / 塑性変形 / ひずみ局在帯 / アルミ合金A2017 / ステンレス鋼SUS304 |
研究概要 |
従来の電子スペックル干渉法(ESPI)においては、定量化のアルゴリズムに位相シフト法を採用しており、変形前後の個々のスペックル位相を決定するために、光波長レベルで厳密に静止した状態を保持して複数(3枚以上)のスペックルパターンを撮像する必要があることから、動的変形過程を動いている状態で連続的に計測することができない。それに対して、本研究で新たに提案した動的電子スペックル干渉法(DESPI)においては、独自の位相解析法を提案し、動的変形過程を連続的に高精度位相解析可能な、動的スペックル干渉(DESPI)カメラとして試作した。3年間の成果の概要は以下の通りである。 (1)変形の動的過程を時空間で解析可能な位相解析アルゴリズムとして、(1)和作法および(2)時間軸におけるヒルベルト変換法を新たに開発した。 (2)高精度位相解析機能をそなえたDESPIカメラを試作した。試作機の主な性能は以下の通りである。(1)引張試験および疲労試験を想定し、面内変形2成分の変形の差画像法による実時間観察可能、(2)和作法およびヒルベルト変換法による高精度位相解析、解析精度は20ナノメータ、(3)撮像速度は毎秒1000フレームまで可能 (3)試作DESPIカメラによる材料劣化診断における成果は以下の通りである。(1)アルミ合金の引張り試験において、塑性変形の脈動的進展の定量解析がなされた、(2)ステンレスUSU304の引張り試験において、局在するひずみ伝播現象が観察され、これが応力誘起変態の空間的伝播現象であることがX線解析およびホールセンサによる解析から明らかにされた、(3)炭素綱の引張り試験において、リューダース帯の生成の初期過程および伝播過程の詳細が明らかにされた、(4)ステンレスSUS304の疲労試験において、可視的きれつ発生以前の予兆現象を捉えることに成功し、劣化の早期診断の可能性が示された。(4)植物の開花における花弁の変形過程の定量解析に成功し、開花の非一様な進展が明らかにされた。 (4)顕微鏡下におかれた物体の変形解析を可能にするマイクロDESPIを別途試作した。成果は以下の通りである。(1)線膨張係数の異なる素材からなる接合材(ステンレスとセラミックを銅の薄層ではさんだ構造)の熱変形を時空間で定量解析を行い、接合部の非一様な変形解析に成功した、(2)MEMS(微小電子機械システム)の一つであるスクラッチドライブアクチュエータの動作解析を行い、従来法では予知できなかった動作不正を検出し、解析することに成功した。これらデバイスは、SEMなどによる形態計測は進んでいるが、動作解析については点計測に頼らざるを得なかったが、本研究が2次元視野における動作解析のツールとして有効であることが示された。
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