研究課題/領域番号 |
13555239
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 次雄 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90091694)
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研究分担者 |
内田 聡 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (60232849)
殷 シュウ 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (40271994)
内田 聡 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (18030547)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | ソフト溶液反応 / セリアナノ粒子 / 紫外線遮蔽特性 / 可視光透明性 / 光触媒活性 / 一重項酸素 / DNA損傷 / 安全性 / セリア / ナノ粒子 / 紫外線遮蔽能 / 白色化 / 仮焼 / 構造水 / 格子欠陥 / 酸化触媒活性 / 金属イオン固溶 |
研究概要 |
塩化セリウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を40℃で反応させた後、過酸化水素と反応させるソフト溶液反応により、セリアナノ粒子を合成し、セリアの形態、酸化触媒活性、光触媒活性、紫外線遮蔽能および可視部での透明性について評価した。試料の形態は、反応pHおよび金属イオンの固溶により著しく変化し、pH12付近のアルカリ性水溶液中では柱状、pH6〜7の中性水溶液中では球状の試料が得られ、カルシウムイオンや亜鉛イオンを固溶すると著しく粒径が減少した。セリアの酸化触媒活性は2価金属イオンの固溶により著しく減少し、特にカルシウムイオンと亜鉛イオンが効果的であった。セリアおよび金属イオン固溶セリアのいずれも光触媒活性は、チタニアより著しく低かった。カルシウムイオンや亜鉛イオンを固溶によりセリアの紫外線遮蔽能が向上し、可視部での透明性が向上した。通常のセリア粉末は黄色であるが、カルシウム固溶セリアナノ粒子を700℃付近で焼成することにより、紫外線遮蔽能や可視部での透明性を損なうことなく白色化できることを見出した。合成した試料、酸化亜鉛および酸化チタン微粒子をDNAとともに分散した溶液に紫外線を照射し、DNA損傷に対する活性を評価したところ、酸化チタンや酸化亜鉛存在下ではDNAの損傷が進行したが、純セリアおよびカルシウムイオン固溶セリアのいずれもブランク試験(試料無添加)と同様の結果が得られ、酸化チタンや酸化亜鉛と比較し、DNA損傷活性が低くいことが明かとなった。また、ケミカルルミネッセンス測定により、試料への紫外線照射による一重項酸素の生成挙動について検討したところ、一重項酸素生成量は、酸化亜鉛>酸化チタン>純セリア>カルシウム固溶セリアの順であり、本研究で調製したカルシウムセリアは、人体に対する優れた安全性を有しており、高性能な新規紫外線遮蔽材として利用可能であることがわかった。
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