研究課題/領域番号 |
13555256
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
南 享 九州工業大学, 工学部, 教授 (10029134)
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研究分担者 |
小原 義夫 日酸化学工業株式会社, 医薬研究部長
岡内 辰夫 九州工業大学, 工学部, 助教授 (60274552)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2001年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | ビスホスホノエチレン / 生理活性ビスホスホン酸 / ビスホスホノシクロプロパン / ヘテロ環化合物 / ビスホスホノアジリジン / アミノビスホスホン酸 / ハロビスホスホン酸 / マイケル付加反応 / ヘテロ環置換-1, 1-ビスホスホン酸 |
研究概要 |
本研究はビスホスホン酸誘導体の高効率合成のための鍵中間体として非常に有用である、gem-ビスホスホノエチレン(1)の合成法の開発を行うと共に、この1を鍵試薬として、骨粗鬆症治療薬関連化合物、アミノ酸アナローグのアミノホスホン酸を始めとする種々の生理活性作用を有するホスホン酸誘導体の高効率合成法の確立を目的とした。 達成された結果は以下のごとくである。 1.目的としたビスホスホノエチレンはPd(0)触媒存在下α-ホスホノノナフラートとジアルキルホスファイトの反応により良好な収率で開発に成功した。 2.ビスホスホノエチレン1と様々なヘテロ環置換1,3-ジチアンカルボアニオン(ヘテロ環:フラン、チオフェン、ピリジン等)やイミダゾールおよび3-ピリジルアニオンの反応により、高収率で1:1マイケル付加生成物を合成するのに成功した。また反応をハロゲンカチオン試剤(NCS,SELECTFLUOR)でクエンチすることにより、α-ハロ-α,α-ビスホスホナートを得るのに成功した。このα-ハロゲン置換ビスホスホナートをトリメチルヨードシランで処理することにより、目的とするα-ハロゲン置換ビスホスホン酸を定量的に得ることに成功した。これらのビスホスホン酸は新しいタイプの骨粗鬆症治療薬としての機能が大いに期待できる。 3.ビスホスホノエチレンとブロモホルムアニオンの反応により、ジブロモジホスホノシクロプロパンの合成に成功した。 4.ビスホスホノエチレンとスルホンアミドをヨードシルベンゼン、銅触媒存在下で反応することにより、ビスホスホノアジリジンを得るのに成功した。このビスホスホノアジリジンをパラジウム触媒存在下、ギ酸アンモニウムで処理することによりα-アミノジホスホン酸に変換されることを見いだした。 以上、ビスホスホノエチレンを鍵中間体として活用することにより、従来の方法では合成不可能または困難なビスホスホン酸誘導体の合成法を確立した。これらのビスホスホン酸誘導体は生理活性作用など興味ある機能を有することが期待される。
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