研究課題/領域番号 |
13555263
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岩田 忠久 独立行政法人理化学研究所, 高分子化学研究室, 副主任研究員 (30281661)
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研究分担者 |
山根 秀樹 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (30191365)
澤渡 千枝 (近藤 千枝(澤渡 千枝)) 静岡大学, 教育学部, 助教授 (70196319)
田口 一徳 独立行政法人理化学研究所, 高分子化学研究室, 研究員 (80332261)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 生分解性ポリエステル / 超高分子量 / ポリヒドロキシブチレート / フィルム / 繊維 / 延伸 / 結晶化 / 物性 / 冷延伸 |
研究概要 |
遺伝子組換え大腸菌より生合成した分子量350万以上の超高分子量ポリ([R]-3-ヒドロキシブチレート)(P(3HB))を用いて、冷延伸法・二段階延伸法による高強度繊維の作製を試みた。超高分子量P(3HB)を溶融紡糸(200-220℃)直後、急冷、氷水中(4℃)で巻き取ることにより非晶質繊維を得た。この非晶質繊維は、ガラス転移温度付近である氷水中で容易に延伸が可能であり、高配向非晶質繊維を作製できた。この高配向非晶質繊維に、更に二段階延伸・熱処理を加えることにより破壊強度1.3GPa、ヤング率18GPaを越える高強度繊維を得ることに成功した。二段階延伸により高強度となった繊維のX線繊維図において平面ジグザグ構造が確認されたことから、この平面ジグザグ構造が強度発現の要因であると推測した。 冷延伸法を用いることにより、ポリ([R]-3-ヒドロキシブチレート-co-[R]-3-ヒドロキシヘキサノエート)(P(3HB-co-3HH))共重合体のフィルム強度を、汎用高分子並に増大させることに成功した。この高強度フィルムは、破壊伸びは100%以上もあることから、非常に強くしなやかな材料である。 さらに、P(3HB)分子鎖のらせん構造から平面ジグザグ構造への転移を分子動力学シミュレーションの手法により解析したところ、非常に小さな力で構造転移が生じることが分かった。 本研究において冷延伸、二段階延伸により作製した繊維および配向結晶性フィルムは、室温において6ヶ月間放置しても経時劣化が起こらず、物性変化がないことを確認した。すなわち、冷延伸と熱処理を施した繊維および配向結晶性フィルムは、室温での長期安定性にも優れ、P(3HB)は高強度・高弾性率・高耐久性を兼ね備えた優れた生分解性高分子材料に成り得ることが実証された。
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