研究課題/領域番号 |
13556005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
作物学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
平沢 正 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (30015119)
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研究分担者 |
大川 泰一郎 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (80213643)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | NaCl / 根 / 反射係数 / 水吸収 / 水伝導度 / 溶質輸送 / 木部圧 / ルート プレッシャー プローブ / NaClの吸収 / NaClの透過係数 / NaClの反射係数 / 根圧 / トウモロコシ / ヤエヤマヒルギ / オオムギ / 冠根 / 水稲 / 耐塩性 / 定常状態 / 根の吸水部位 / 非定常状態 / 水の通導抵抗 / 水耕液のNaCl濃度 / 木部液 / イネ / 根の水透過性 / 根の溶質透過性 / 生育段階 / 水温 |
研究概要 |
根が浸透計的に機能することに着目して理論的に展開されたSteudle and Jesckeの方法(root pressure probe)を適用して根の吸水能力と溶質の輸送特性を簡便に評価する装置を作成して検討した。得られた結果の大要は以下の通りである。 (1)定常状態で測定された根の水伝導度は、根の吸水能力を正確に表す。そこで、本方法を用いて静水圧をトウモロコシの根の木部に加えた後の根の木部圧の変化から非定常状態で求めた根の水伝導度を、根の切断部の木部に吸引圧を加え定常状態で測定した吸水速度から求めた根の水伝導度とを比較したところ、両者の間には1:1に近い密接な直線的関係が認められた。 (2)マングローブ植物ヤエヤマヒルギの根のNaClの輸送特性を本方法を用いて検討した。その結果、ヤエヤマヒルギの根のNaClに対する反射係数は0.1以下で著しく小さく、さらに、種々の濃度のNaClを含む水耕液中にある切断根の切り口に吸引圧を加えて採取した木部液の浸透ポテンシャルも常に水耕液の浸透ポテンシャルとほぼ等しかった。以上の結果はヤエヤマヒルギの切断根はNaClを水とほとんど区別することなく吸収していることを示している。 (3)NaCl濃度の高い水耕液にヤエヤマヒルギの幼植物を移した後の時間の経過に伴うNaClの各器官への蓄積をみた。その結果、根のNaCl濃度は約10日後に水耕液の濃度とほぼ等しくなったが、胚軸や葉では、とくにNa^+の濃度の増加が小さかった。この結果は、Na^+、Cl^-はいずれも根から胚軸に輸送される過程で大きく制限を受けていることを示している。根の中に取り込まれるNa^+、Cl^-の蒸散流中の濃度も水耕液の濃度に比較して著しく低く計算され、Na^+、Cl^-は根の中に取り込まれる過程でも大きな制限を受けていることが推察された。 (4)以上の研究を通じて、本装置は根の吸水能力を評価できるが、溶質の輸送特性の評価についてはさらに検討を要することが分かった。
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