配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2001年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
[目的]食資源として極めて重要な家畜は,消化管感染症に罹患し慢性化しやすく,家畜の生産性の著しい低下と抗生剤の大量使用を招き,産業的被害が深刻な問題となっている.本研究では,乳業用乳酸菌DNAモチーフにより副作用のない安全な,しかも有効なアジュバントを兼ね備えた,新規な経口ワクチンを開発することを最終目標とし,乳酸菌からの免疫活性を有するDNA配列の探索とTLR9を用いた新規DNA免疫活性評価法を開発し,乳酸菌DNAの腸管免疫賦活化作用を解明することを目的とした. [方法]乳酸菌において活性DNAモチーフの検索を行い,その免疫活性についてリンパ球幼若化活性を指標として評価した.TLR9についてヒトモデル系として期待されるブタ腸管よりクローニングし,その発現を解析した.ブタTLR9遺伝子を強制発現させた哺乳類細胞を構築し,活性DNAの評価法の構築を試みた.ブタパイエル板および腸間膜リンパ節の細胞を乳酸菌DNAで刺激後,定量的PCR法により各種サイトカインmRNAの発現量を測定した.腸管関連リンパ組織におけるTLR9発現の局在性を免疫組織化学的手法およびフローサイトメトリー法により解析した. [結果]乳酸菌から数種の活性DNAモチーフを発見した.DNAモチーフの評価系として利用可能な,哺乳類細胞を用いたブタTLR9発現細胞の作出に成功した.乳酸菌DNAの刺激により,成熟ブタパイエル板細胞から,IL-6,IL-12p40およびIFN-γmRNAが強く発現した.免疫組織学的染色法により,成熟ブタのパイエル板および腸管膜リンパ節で強いTLR9の発現が認められ,特にパイエル板上皮および樹状細胞に強い発現が認められた,以上のことより,生体内の腸管免疫系において,乳業用乳酸菌由来DNAがTLR9を介して免疫応答を誘導する可能性が強く示唆され,乳酸菌DNAのアジュバントとしての活性が期待された.
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