研究課題/領域番号 |
13556025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小松 幸平 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (20283674)
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研究分担者 |
加藤 泰世 ポラス暮らし科学研究所, 研究員
森 拓郎 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (00335225)
瀧野 真二郎 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (90115874)
細川 清司 (有)木構造技研, 主宰(研究職)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2002年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2001年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | ラグスクリュー / ボルト / 楔 / 伝統構法 / 土塗り壁 / 貫 / 軸組み架構 / スギ製材 / 葉枯ら / 真壁仕様 / 半剛節 / 袖壁 / 小壁 / 腰壁 |
研究概要 |
本研究では、国産針葉樹資源の有効活用と、木材・林産物の適正利用の促進という立場に立って、木造伝統構法技術が包含している「組立て易さ」、「解体し易さ」、「再利用し易さ」、「分別廃棄のし易さ」等の「良さ」を損なうことなく、現代の構造解析の考え方によって剛性、耐力、靭性の推定とコントロールが可能な接合法を提案し、工場生産された構造用木材製品(集成材、単板積層材その他)も積極的に取り入れる立場に立って研究を進めた。また、現代的接合法の代表である「ボルト接合法とラグスクリュー接合法」については、施工並びに解体の容易性の面で捨てがたい利点が認められることから、研究課題の範囲に取り入れた。 最初に片面から施工が可能で、今後益々重要性が増すと考えられるラグスクリューを木材添え板接合に適用するための研究を行った。多数本配列時の耐力現象の傾向を実験的、理論的に明らかにし、木-木ラグスクリュー接合の許容耐力の提言も行った。次に、解体容易で最も実績のあるボルト接合について、未だに設計法が明確でない「木-木ボルト接合」の場合に的を絞って、その剛性、耐力推定法を新たに提案した。また、木-木ボルト接合法を用いて合わせ梁形式でモーメント抵抗接合する場合の設計式についても提案を行った。 伝統木造が包含する優れた構造機能性を現代構法に適用することを目的とした研究の手始めとして、貫接合における楔の効果について、基礎的な研究を開始し、最も単純な通し貫接合の耐力(モーメント)発現機構をモデル化し、実験によって理論の妥当性を検証した。また、現在より複雑な形態である柱内部に継手を有する貫接合についても、実験的研究を継続している。さらに、住宅規模の架構を対象として、真壁仕様の雑壁入り軸組み架構の構成法を検討し、ボルトと楔を利用した挟み梁式門型架構を開発し、次に小型土塗り壁(プレファブ土壁)を雑壁要素とする軸組み架構を開発して、雑壁の位置、数が架構のせん断性能に及ぼす影響について実験的検討を加えた。 総合的に見れば、伝統構法が内包する「組立て易さ」、「解体し易さ」、「再利用し易さ」、「分別廃棄のし易さ」等の「良さ」を損なわない範囲で、現代構法の利便性も取り入れた適応性の広い木造骨組み架構を開発することができ、その基本的な力学的性状の評価ができたと考えている。
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