研究課題/領域番号 |
13556026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 浩雄 九大, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20038243)
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研究分担者 |
竹下 賢二 中越パルプ工業株式会社, 能町工場, 工場長
北岡 卓也 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (90304766)
割石 博之 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50253513)
渡邊 康彦 栗田工業株式会社, 開発本部技術開発センター, 主席研究員
渡邉 康彦 栗田工業(株), 開発本部, 主席研究員
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2001年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 製紙化学 / カチオン要求量 / アニオン要求量 / コロイド滴定 / 製紙用高分子薬剤 / 可視光ラベルポリマー / 廃水処理 / 凝集剤 / ウェットエンド |
研究概要 |
前年度合成に成功した可視光ラベル化カチオン性ポリマー(Chromo-polydiallyldimethylammonium chloride : C-DADMAC)を製紙工場の実機試料に応用した。上質紙(F)、新聞用紙(N)および板紙(B)のthick stockとinletの試料を用いた。F, N, Bの電気伝導度は調査の範囲で、それぞれ459-800μS/cm、2020-2600μS/cm、1630-3960μS/cmであった。このような高塩系の試料には従来法のコロイド滴定法は終点の判定が極めて困難で、測定値に大きな誤差を伴うことが判った。しかし、C-DADMACを用いると、このような試料にも適用でき、精度の高い分析結果の得られることが判明した。この方法では試料に一定量のC-DADMACを加え、上澄液または濾過液の着色度を分光光度計で測定して吸着量を求めるのが一般的なやり方であるが、濃度の異なるC-DADMACの対照液を数本準備し、試料の着色と比較すれば肉眼で容易に吸着量を求め得ることが新たに判った。これは簡単な携帯用濾過装置さえ有れば、現場で容易に吸着量、従ってカチオン要求量を測定できることを意味しており、実用的に大変有益な知見である。 次に可視光ラベル化アニオン性ポリマーの合成を試みた。まず、ポリビニーリアルコールをジメチルスルホキシドに溶解し、トリエチルアミンを脱酸剤として加え、これにダブシルクロライドを追加して室温で一昼夜静かに攪拌した。これをクロルスルホン酸を用いて硫酸エステル化して可視光ラベルポリビニールスルホン酸ガリウム(C-KPVS)を得た。M/100,000の希薄濃度まで着色が肉眼で判別できた。上記のカチオン要求量の測定と同様の操作でアニオン要求量を求めることができた。 これらの方法は製紙原料だけでなく、製紙スラッジや都市下水スラッジにも適用でき、擬集剤の最適使用量の決定などにも応用できることが判った。
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