研究課題
基盤研究(B)
本研究はイヌヘルペスウイルスをベクターとする犬原虫感染症の多価生ワクチンを開発することを目的として実施した。4ヶ年に渡り得られた主な研究成績は以下の通りである。1)イヌヘルペスウイルスのベクター化イヌヘルペスウイルスについて幅広い遺伝子検索を行い、TK、gE、gI、ORF2など外来遺伝子挿入可能な候補遺伝子を同定した。これらの遺伝子は、ウイルス増殖には必ずしも必要としないため簡単に欠損させることができることを確認した。これらの遺伝子の部位にカラーと薬剤セレクションマーカーを組み合わせたLacZ-TK遺伝子を導入することにより、迅速で簡便に組換えイヌヘルペスウイルスを構築する方法を確立した。2)犬の病原性原虫のワクチン候補遺伝子のクローニングバベシアギブソニとネオスボラなどイヌ病原性原虫のcDNAライブラリーを作製し、イムノスクリーニング法によりそれぞれの主要抗原遺伝子を同定・クローニングし、その性状解析を行った。新しく同定或いは性状解析した抗原遺伝子としてバベシアギブソニ(Babesia gibsoni)のBgP29、BgP50、BgP76、BgTRAP、BgAMA-1、BgRAP-1、Bg12D3;ネオスポラ(Neospora caninum)のNcSAG1、NcSRS2、NcGRA7、NcPDI、NcRP1、NcHSP70などを挙げられる。3)原虫抗原を発現する組換えウイルスの構築B.gibsoniのBgP29、BgP50、BgP76及びN.caninumのNcSAG1、NcSRS2を発現する組換えイヌヘルペスウイルス或いは組換えワクシニアウイルスの構築に成功した。組換えウイルスにより発現された多くの組換え原虫抗原は虫体由来の天然型抗原に類似した抗原性を有していることが確認された。4)試作組換えワクチンの感染防御効果NcSRS2を発現する組換えウイルスを鼻内接種した犬では、虫体由来の天然型NcSRS2抗原に特異的な液性免疫が有効に誘導されることが確認された。また、BgP29、BgP50、及びBgP76を発現する組換えウイルスを接種した犬では、いずれもバベシアギブソニ感染に対する部分的感染防御効果が認められた。
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