研究課題/領域番号 |
13556057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
大川 浩作 信州大学, 繊維学部, 助教授 (60291390)
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研究分担者 |
山本 浩之 信州大学, 繊維学部, 教授 (60021151)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 光化学反応 / バイオミメティック / 水溶性高分子 / ヒドロゲル / 機能材料 / 複合繊維 / 生分解特性 / 環境科学 / 環境化学 |
研究概要 |
タンパク質、ポリアミノ酸、多糖、DNAおよびそれらの複合素材を用い、高付加価値な高分子の利用形態である、繊維、ゲル、フィルムおよびカプセルの水系における形成反応について、天然高分子、水、光の3成分のみから形成される複合系の研究を行った。これらの構造は、加水分解酵素、および環境内微生物によって、水と二酸化炭素まで分解される「生体・生態系内調和型」である。下記に示すように、地球環境保全材料あるいは生体内薬物投与担体などへの応用を目指した研究を展開した。 1.光架橋性天然高分子化合物の合成と繊維化 側鎖に光反応性基を有する天然多糖あるいは合成ポリアミノ酸を分子設計し、実際に、水系の合成法を確立した。クマリンを側鎖に有するポリリシンから作成した複合繊維は、光架橋反応によって2-3倍に強度上昇することを明らかにした。この結果によって、本申請課題である光・水を利用する天然高分子材料系が構築できることが明らかになった。 2.多糖複合カプセルによる薬物徐放材料 生理活性物質を内包した多糖複合カプセルを作成し、内包物質の酵素加水分解による薬物徐放系の開発を行った。例として、(i)徐放性の電荷・分子量依存性の解明し、(ii)基質タンパク質およびタンパク質分解酵素をカプセルに内包し、タンパク質分解酵素の作用によって低分子量化した基質がカプセル外へと放出される系を構築した。この系の構築によって、タンパク質分解酵素の活性調節機構を利用し、二価金属、脂肪酸、あるいはATPなどの生体成分の添加によって、薬物徐放が高度に制御される系へと発展可能であることが示された。 3.酵素および光架橋構PIC繊維の作成と高強度化 酵素架橋、特に、キノン架橋、ジチロシン架橋、イソペプチド架橋など、生体高分子に見られる架橋構造形成をヒントに、酵素架橋部位を含む官能基を用いて化学修飾した天然高分子化合物を合成し、PIC繊維の高強度化を試みた。その結果、酵素架橋により、繊維の力学的強度が上昇し、複合材料系の繊維素材としての有用性を明らかにした。
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