研究課題/領域番号 |
13557042
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
内科学一般
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
江口 勝美 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30128160)
|
研究分担者 |
右田 清志 国立病院長崎医療センター, 臨床研究センター, 免疫研究部部長 (60264214)
中村 龍文 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究所, 助教授 (00198219)
熊谷 俊一 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00153346)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | シェーグレン症候群 / 遺伝子多型 / IL-10 / HTLV-I / Toll-like receptor / アポトーシス / HTLV-I関連脊髄症 / SS-B / La / HTLV-I tax / ミトコンドリア / IL-18 / GST / TAP / Sjogren症候群 / HTLV-1 |
研究概要 |
HTLV-I感染シューグレン症候群発症予知の遺伝子診断と発症阻止について研究した。 まず、IL-10の遺伝子多型解析では、IL-10プロモーター領域の特定の遺伝子多型がSSの発症年齢や免疫異常と関連することを明らかにした。しかし、HTLV-I感染の有無とIL-10プロモーター領域の遺伝子多型との関連は見出すことはできなかった。 HTLV-I感染はT細胞にアポトーシス抵抗性を惹起するが、この作用機序の1つとして、HTLV-I Tax蛋白によるBcl-xL発現誘導が重要であることを明らかにした。 HTLV-I感染で惹起されるHAM患者の末梢血CD4^+T細胞はIFN-γ、IL-12を産生し、IL-12受容体を高発現し、Th1細胞へ傾いていた。また、HAM患者末梢血CD4^+T細胞はFas陽性標的細胞をFas依存性にアポトーシスを誘導することができた。さらに、HAM患者末梢血CD4^+T細胞はBcl-xLを高発現し、エトポシド誘導性アポトーシス抵抗性を示した。 唾液線細胞をグランザイムBで酵素処理した蛋白がSS血清と反応することを見出し、この蛋白はSS-B/La抗原であることを証明した。 ウイルスを含めた微生物感染の受容体であるtoll-like receptor(TLR)のTLR2、TLR3、TLR4が小唾液線組織に発現し、培養ヒト唾液線細胞株にもその発現が検出された。培養ヒト唾液線細胞株のTLRは機能的発現であり、リガンド添加でMAP kinase superfamilyを活性化して、副刺激分子CD54発現とIL-6産生を誘導した。 以上の結果から、SSの発症には疾患遺伝子と同様にHTLV-1をはじめ感染症が重要な役割を果たしていることが明らかになった。SSの病態形成においては、唾液線組織へのリンパ球浸潤、T細胞のアポトーシス抵抗性、唾液線細胞障害、自己抗体産生などの多くの段階にHTLV-I感染が関与していることが明らかになった。 今後、HTLV-I感染とSSとの関連がさらに明らかになるに従って、自己免疫疾患の病因・病態の究明や新しい治療法の開発が、さらに発展することが期待される。
|