研究課題/領域番号 |
13557070
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
難波 栄二 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 教授 (40237631)
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研究分担者 |
鈴木 義之 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (90010389)
前川 真治 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 助手 (70314606)
山本 俊至 鳥取大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20252851)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2003年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2001年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | ケミカルシャペロン / 中枢神経 / 治療 / 低分子物質 / 先天代謝異常 / GM1-ガングリオシドーシス / 中枢神経障害 / 先天代謝異常症 / G_<M1>-ガングリオドシドーシス |
研究概要 |
本研究は中枢神経障害を伴う先天代謝異常症の一つであるGM1-ガングリオシドーシスをモデルに対して、低分子物質を用いるケミカルシャペロン法を用いた新しい治療法の開発を行った。最初に、マウス細胞を元に27種類以上のヒト遺伝子異常をもつモデル細胞を樹立した。そして、本研究で開発された糖誘導体低分子物資であるNOEV (N-Octyl-4-epi-β-valienamine)を用いて研究を進めた。NOEV投与によりR201C変異をもつモデル細胞において、欠損酵素であるベータガラクトシダーゼが上昇するとともに、蓄積物質GM1-ガングリオシドが減少することが確認された。さらにR201C遺伝子異常導入ノックアウトマウスを用いてNOEVを飲水中にまぜ一週間投与する研究を進めた。その結果、欠損していたベータガラクトシダーゼ活性は脳を含めてすべての臓器で大きく上昇した。さらに脳では疾患で蓄積するGM1やGA1などのガングリオシド蓄積が消失することが確認された。さらに詳細に検討してみると、この効果は神経細胞で著しいことが明らかになった。これらの成果はProc Natl Acad Sci USA. 2003 23;100(26):15912-7に報告された。 さらに、本疾患の神経変性メカニズムの詳細な解明を目的としてモデルマウスを用いて神経細胞初代培養系を確立した。ノックアウトマウスの培養小脳顆粒細胞はアポトーシスのマーカーであるアネキシンVに陽性を示し、アストロサイトはライソゾーム内にGM1の蓄積を示した。日本人の成人型で多いI51T変異をもつ培養顆粒細胞は低カリウム誘導のアポトーシスに陽性を示した。R201C変異をもつアストロサイトはNOEVにより変異酵素活性の上昇を認めた。これらの初代培養系は神経変性メカニズムの解明に必須であり、NOEVの効果を研究するのにも有用と考えられた。 NOEVはGM1-ガングリオシドーシスの治療薬として国内および国際特許を申請した。
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