研究課題/領域番号 |
13557071
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
橋本 公二 愛媛大学, 医学部, 教授 (00110784)
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研究分担者 |
山崎 研志 愛媛大学, 医学部, 助手 (40294798)
白方 裕司 愛媛大学, 医学部, 助手 (50226320)
佐山 浩二 愛媛大学, 医学部, 助教授 (80187286)
吉野 公一郎 日本オルガノン株式会社, 医薬研究所・研究開発本部, 研究部長
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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キーワード | 表皮細胞 / autocrine / HB-EGF / ADAM / MMP / 皮膚特異的ノックアウトマウス / Adenovinis vector / real time PCR / adenovirus vector / adnovirus vector |
研究概要 |
表皮細胞におけるADAM, MMPの発現の検討 ADAM mRNAの31種あるADAMのうち、プロテアーゼ活性を有することが予想される19種類についてreal timePCR用にそれぞれ特異的なTaqman probeを作製した。正常ヒト表皮角化細胞を無血清培養法で培養し、サブコンフルエントの状態に達した後にEGFを濃度を変えて添加し0、1、3、6、12、24、48時間後に細胞よりtotal RNAを抽出し、ADAMファミリーのmRNAの誘導の有無をReal time PCR法で定量的に検討した。角化細胞においてはADAM9がメインに発現していた。 表皮特異的HB-EGFノックアウトマウスを用いた創傷治癒モデル解析 通常のノックアウトマウスは胎性致死であることが明かとなっているため、皮膚特異的ノックアウトマウスを作成した。Keratin 5 promoter下流にcre recombinase cDNAを組込んだトランスジェニックマウスと、HB-EGFの染色体の両端にLoxP配列を組み込んだfloxHB-EGFマウスを交配させることにより皮膚特異的HB-EGFノックアウトマウスが得られた。このマウスを用いて、8-9週令のマウスの背部に直径6mmの全層皮膚欠損を作製し、経時的に創の縮小を解析した。正常マウスと比較して、表皮特異的ノックアウトマウスは7-9日目において創傷治癒の遅延が認められた。この結果は、表皮の再生において、表皮由来のHB-EGFが重要な働きをしていることが明かとなった。 表皮のautocrine及びcross-induction機構における細胞内シグナル伝達の解析 表皮由来のEGF familyはその受容体であるErbB1に結合することによりシグナル伝達を行うが、autocrine及びcross-induction機構にどのシグナル伝達が関与しているかはあきらかではなかった。そこで、ErbB1以降の細胞内シグナル伝達に関して解析を行った。EGF familyの一つであるHB-EGFで角化細胞を刺激し、経時的に蛋白を回収し、ErbB1,MAP kinaseのリン酸化をウェスタンブロットで検討した。ErbB1は刺激後5分後にはリン酸化を受けており、その程度は濃度依存性に増加した。MAP kinaseは主にERK, p38,JNKの経路が存在するが、そのすべての経路は刺激後10分後にはリン酸化を受けていた。リン酸化は30分後には定常状態にまで復帰した。そこで、それぞれのkinase inhibitorで前処理した後、HB-EGFで角化細胞を刺激し、各種EGF family mRNAの発現誘導をmulti-probe RNase protection assayにて検討した。HB-EGF添加後1時間で、すべてのEGF familyは発現が誘導されるが、この発現誘導はJNKのインヒビターで完全に抑制された。このことより、autocrine及びcross-induction機構における細胞内シグナル伝達は、おもにErbB1-JNK経路を介していると考えられた。
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