研究課題/領域番号 |
13557074
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (80134063)
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研究分担者 |
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00125501)
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (60143038)
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (80191899)
加賀谷 豊 東北大学, 医学部, 助手 (90250779)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2002年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2001年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | PET画像診断 / 標識ジアシルグリセロール / 高次脳機能 / 腫瘍診断 / PLC活性評価 / PLD活性評価 / 心機能診断 / 損傷回復 / PLG活性評価 |
研究概要 |
本研究は、細胞内情報伝達機能画像診断薬として開発してきたポジトロン標識ジアシルグリセロールを高次脳機能診断・心機能診断・腫瘍診断への適用拡大を図り、それぞれの診断技術の高度化と実用化を目指すものである。 脳損傷後の高次脳機能回復メカニズムの解明に対して、脳損傷症例においてイノシトールリン脂質シグナルの増強現象と高次脳機能の改善程度との関連を調べ、増強現象が出現した皮質連合野の領域と、改善を示した高次脳機能の質的関連を検討した.増強現象を生体で知るためにはpositron emission tomography(PET)を用いてイノシトールリン脂質シグナルを体外測定した.またラットを用いた実験的脳損傷モデルで増強現象を誘発し、この部位を取り出しdifferential display法をもちいてシナプメ伝達機能の修飾に関与する因子を検索した。このようにして神経回路のリモデリングと増強現象との関連、特に全脳的にみた高次脳機能の修復メカニズムを調べた.その結果高次脳機能の改善には全脳的な修復機転を考慮する必要があることが示唆された。 F-18標識ジアシルグリセロールについて光学活性体を合成し生体での代謝動態を調べたところ特異性はなく、ラセミ体で十分PLD活性を評価できることが分かった。腫瘍組織において集着はPLD活性に基づいているが、培養主要細胞においてもPLD活性を評価できた。 心筋機能診断において、^<11>C標識ジアシルグリセロールの心筋への集積がイノシトールリン脂質代謝回転をよく反映することを動物実験において確認し、その後ポジトロン断層撮影を用いて臨床応用を開始した。13例の慢性期の前壁中隔梗塞患者で得られた結果では、梗塞後の残存心筋における^<11>C標識ジアシルグリセロールの集積は、左室拡大が著明であるほど、また、左室収縮性が低下しているほど、さらに血清中のヒト脳性利尿ペプチドが高いほど増加することが明らかとなった。すなわち、ジアシルグリセロールを介した情報伝達系はヒトにおいても、心室リモデリングにおいて非常に重要な働きをしていることが本研究により初めて示された。さらに簡便なPET-MR fusion programを開発しこのprogramの上で、kinetic analysisを可能とした。
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