研究課題/領域番号 |
13557089
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
内分泌学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小川 佳宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (70291424)
|
研究分担者 |
泰地 睦夫 住友製薬, 創薬第二研究所, 主任研究員
細田 公則 京都大学, 医学研究科, 助手 (40271598)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2002年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2001年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
|
キーワード | BDNF / レプチン抵抗性 / 肥満 / 糖尿病 / トランスジェニックマウス / インスリン / 糖代謝 / KKA^yマウス / 高脂肪食負荷 / レプチン |
研究概要 |
本研究では、レプチン抵抗性回避薬としてのBDNFの分子機構について検討した。高脂肪食負荷により後天的にレプチン抵抗性を呈する高脂肪食負荷マウス(DIOマウス)にBDNFあるいはレプチンを腹腔内投与すると、BDNF投与群では摂餌量が有意に減少した。一方、レプチン投与群では摂餌量は変化しなかった。標準食を与えたマウスではレプチン投与により摂餌量の減少が認められたが、BDNF投与の効果は小さかった。DIOマウスに対してBDNFを6日間連日投与した場合には、BDNF投与群において著しい糖代謝改善が認められたが、BDNF投与群と同量の摂餌量になるように給餌量を制限したBDNF非投与群では変化せず、BDNFによる糖代謝改善作用は摂餌量の減少によるのではないことが証明された。また、BDNFは遺伝的にレプチン抵抗性を呈するKKA^yマウスに対しても抗肥満および抗糖尿病作用を示すことを明らかになった。 個体レベルにおける高BDNF血症の持続効果を明らかにするために、肝臓において特異的に発現するSAP(serum amyloid P component)プロモーターの下流にマウスBDNFcDNAを連結した導入遺伝子を用いてBDNF過剰発現トランスジェニックマウスを作製した。対照マウスの血中BPNF濃度は検出感度以下であったが、トランスジェニックマウスの血中濃度は導入遺伝子のコピー数に比例して著しく上昇していた。又、標準食では対照マウスと比較してトランスジェニックマウスでは明らかな体重増加の減少が認められた。高脂肪食負荷により肥満の誘導を試みた場合にも対照マウスと比較して体重増加の減少が認められ、糖代謝とインスリン感受性は亢進していた。以上より、レプチン抵抗性肥満・糖尿病におけるBDNFの持続的な抗肥満・糖尿病作用が明らかになり、レプチン抵抗性回避薬としてのBDNFの有用性が示唆された。
|