研究課題/領域番号 |
13557116
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
山本 清二 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教授 (60144094)
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研究分担者 |
難波 宏樹 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60198405)
塚田 秀夫 浜松ホトニクス, 中央研究所, 主任部員
間賀田 泰寛 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (20209399)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
2003年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2001年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | PET / ミトコンドリア / 神経細胞 / ^<11>C-Pyruvate / 脳虚血 / 興奮性神経細胞死 / ラット / サル / 一過性局所脳虚血 / Pyruvate / Rhodamine |
研究概要 |
A.目的: 脳ミトコンドリア機能評価のためのPETトレーサーを作成し、その有効性を検討した。 B.結果および成果 1.培養神経細胞での検討:ミトコンドリア機能障害を評価する培養系モデルを用い、ラット海馬培養神経細胞にミトコンドリア呼吸阻害剤としてFCCP(10μM)を20分間投与し^<11>C-Pyruvate投与後の取り込みの変化をイメージングプレートで読みとり検討した。蛍光色素によりミトコンドリア膜電位の障害を検出でき、^<11>C-Pyruvateでは取り込みの低下として検出できた。2.動物モデルでの検討:成人ラットの脳線条体にミトコンドリア毒である3-nitropropionic acidを定位脳手術的に微量注入し病巣を作成、1週間後に^<11>C-Pyruvateをラットに静注し脳ミトコンドリア機能を評価した。トレーサー静注後3分までは脳血流に依存してトレーサーのactivityが増加しその後プラトーになった。病巣部では投与後10〜20分で^<11>C-Pyruvateの集積が低下しており、動物モデルでも培養細胞系と同様の結果が得られin vivoでミトコンドリア障害を検出できると考えられた。3.サル一過性脳虚血モデルでの検討:カニクイザルを用い、全身麻酔下に経眼窩的手術により中大脳動脈にクリップをかけ、3時間後にクリップを解除し一過性局所脳虚血をモデルを作成した。虚血前、虚血後2時間、3時間虚血解除後に^<15>O-O_2、^<15>O-COにて脳血流量、脳血液量、脳酸素代謝をPET scannerにて測定した。3時間の一過性脳虚血が確実に負荷されたことを確認後サルを飼育ケージに戻し、1週間後と4週間後に全身麻酔をかけ、1)脳血流量、脳血液量、脳酸素代謝、2)^<11>C-Pyruvate静注によるミトコンドリア機能、3)^<18>F-Fluorodeoxyglucose(^<18>F-FDG)による脳グルコース利用率、を検討した。その結果、1)^<11>C-Pyruvateは静注後約20分までは脳内に集積しにくく、約20分後から集積し始める。2)20分から60分までの脳における^<11>C-Pyruvateの集積は、病巣では正常脳に比べて低下していた。3)低下の領域と程度は、脳血流の低下より脳酸素代謝の低下に相関する傾向を示した。4)脳グルコース利用率の分布と類似していたが、正常脳の集積が低く、脳グルコース利用率が高くなる脳内の悪性腫瘍をより明瞭に描出する可能性があった。 C.まとめ: ^<11>C-Pyruvateをトレーサーとして静注しPET scanを行い20分以降の集積を評価することによりin vivoでの脳ミトコンドリア機能の低下部位(病巣)の描出が可能であった。
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