研究課題/領域番号 |
13557128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高橋 敏 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (10236276)
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研究分担者 |
古川 賢一 弘前大学, 医学部, 助教授 (20165468)
坂井 哲博 弘前大学, 医学部附属病院, 助教授 (80205707)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
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キーワード | 麻酔 / 睡眠 / DNA / マイクロアレイ / RNA / 遺伝子 |
研究概要 |
睡眠と麻酔は、可逆的意識消失を伴うという大きな共通点を持っている。実際、ベンゾジアゼピン系薬物やバルビツレート系薬物といった睡眠薬が、臨床麻酔や集中治療の領域でも広く用いられている。しかし、生理的睡眠には単に眠っているという以上に、中枢神経系を保護したり修復したりするという機能や、免疫能を増強するという機能のあることが明らかにされてきている。さらに、この生理的睡眠は、腫瘍壊死因子やインターロイキン-1などのサイトカイン、成長ホルモン放出因子、プロスタンジンD2など複数の内因性睡眠調節物質によって調節されていることが最近の研究で解明されてきている。しかしながら、これら複数の内因性睡眠調節物質の相互関係や重要性の優劣などはいまだよく解っていない。また、睡眠のメカニズムが麻酔薬の作用とどのように関係しているかもよく解っていない。さらには、内因性睡眠物質を臨床麻酔の世界で積極的に応用するという研究もほとんどない。そこで、本研究では、まず最新のDNAマイクロアレイ法を用いて、断眠後の全脳の遺伝子発現プロフィールを検討した。また、生理的睡眠のメカニズムが麻酔と関係しているのかを、断眠と麻酔の相互作用を調べることによって検討した。結果、今回の研究では、成長ホルモン放出因子やインターロイキン1などのいくつかの睡眠に関係していると思われる脳内物質の遺伝子発現が、断眠によってたしかに増加していることが示された。また、生理的睡眠を刺激する代表である断眠が、2つの異なった静脈麻酔薬の作用を有意に増強した。以上の結果より、生理的睡眠のメカニズムが麻酔薬の作用部位や作用機序と関係していることから、今回の研究で遺伝子発現の増強した物質の麻酔への応用も示唆された。
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